うつ病の運動療法
表題の通り、運動によりうつ病を “治療” する話であり、”予防” する話ではありません。
体の運動がうつ病の予防に効果的なのは、ほぼ科学的にも疫学的にも認められているところの一方で、実際にうつ病に患てしまった場合、
「あんなツラいうつ病治療中に、心は当然、体も動かすのに大変なのに運動だって?冗談じゃないっっ!!」
というのが経験者の意見でしょう。
因みに、実はかくいう私もうつ病経験者です。
私がうつ病の運動による治療を興味を持ったのは、もう何年も前になりますが、
「脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方」(ジョン J. レイティ (著),NHK出版,2009/03/20)
という本の中に、以下のような記述を見てからです。
以下、本書より抜粋。
//////////
2000年10月、「ニューヨークタイムズ」紙は、デューク大学の研究者がうつ病の治療には塩酸セルトラリン(SSRIの一種。商品名:ゾロフト)より運動の方が効果があることを証明したと報じた。なんとすばらしいニュースだろう!だが、残念ながらこの記事は14面の健康と運動の欄に小さく掲載されただけであった。
//////////
(引用1終わり)
//////////
ところがちょうどその頃、ノルウェイの病院に関する記事を目にした。その病院では、うつ病の患者に治療方法として抗うつ剤か毎日の運動か、どちらかを選ばせている、というのだ。私は愕然とした。当時、抗うつ剤が臨床に導入されたばかりで、その目覚しい効果が、治療についての私たちの認識を根本から変えていたところだった。
//////////
(引用2終わり)
本書は脳と運動との関連について包括的にまとめたもので、うつ病治療について詳細には書かれていません。
著者の文章からすると、どうやら本の著者はアメリカ在住で、日本とアメリカの治療指針とヨーロッパのそれとは大分異なると予想されます。
実際、うつ病治療ではありませんが、日本に於いて所謂 “擬似科学” と呼ばれていたり、複数の代替療法が治療法として保険適用されている事からも伺えます。
日本でも薬剤を使わず、クライアントの思考パターンや認知の枠組みを変化させる事によりうつ病の治療を目的として、2010年4月より「認知行動療法」が保険適用されています。
そんな事から急を要する話題でもなかったので、うつ病の運動療法と具体的なエクササイズの内容は気にはなっていたものの、今日に至っていた訳です。
そんなある日、全く別の目的でネットで検索していた時、「確かうつ病の治療には、とにかく静養に努めるのが鉄則だったヨな~?」とキーワードを打ち込んでいたところ、「うつ とにかく動く」というキーワード候補が表示された事から、今回の話を思いついた訳です。
当然、様々な内容の記事がヒットする訳で、結果としては、どうやら
「日本国内で統一されたうつ病に効果があるとされる具体的な運動・エクササイズというものはない」
模様で、各個人がイロイロと自分なりに工夫したものを実践されているようです。
それは、うつ病の症状が個人それぞれで異なり、明確なパターンらしきものは示さない、という現状に則したものなのでしょう。
現時点で確かな事は、
「各人が今いる現状で、”チョットやってみようかな?” と思った運動(散歩等簡単なもの)を、文字通り “ほんのチョットだけやってみる”」
と言えるかもしれません。
そして、どんなに調子が悪くても自由に動かせる身体部分が誰でも一箇所あり、それは、
「眼球」
で、すなわち シャピロ博士が開発した、”EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)” に繋がる事になるでしょう。
もし、NLPの知識があれば、眼球を動かす時に、積極的に “右上方向” を見るといいかもしれません。
これはわたし自身の例で、うつでブッ倒れて布団の中でグダグダしていても日常の買い物等でどうしても外に出なければなりません。
そうして、イヤイヤながらも外出し、ジッと自分の心と体に意識を向けると、布団の中にいるよりも、外で自分の足で歩いている方が心の状態は確かに良好になります。
うつ病の治療もどうやら、NLPコーチング的な手法が有効そうで、
「兎も角、最初の一歩を踏み出し、最初はゆっくりと始め、それを積み重ねていく。」
のが肝要ではないでしょうか?
風邪薬のように “これさえ飲めば一晩でスッキリ” といった魔法の弾丸はうつ病に限れば、今の処、存在はしていません。
[title01]
[title02]
[body]
[channel]