経済心理学:なぜ牛丼屋の無料クーポンで長蛇の行列が出来るのか?
「コンコルド効果」
少し前のニュースで読んだのですが、ある牛丼屋とスマホのキャリア会社がタイアップして、”スマホで受信したクーポン券をお店に提示すれば牛丼の並が無料” という企画を行ったところ、各店舗には想定以上のお客さんが列を成して訪れ、ニュースでも取り上げられました。
ネット上でも熱い意見が投稿されましたが、大方の意見は、
「たかが380円(?)の牛丼の並みをタダで食べるためにそこまでするか?」
というのものでしたが、視点を変えて実際に列に並んだお客の心理はどういう状態でしょうか?
今回の件とは別に、よく投資や投機の心理学に書かれている内容として、
- 今、決済すれば確実に100万円得られる
- もう少しガマンして、多少値の変動には動じず堪えていれば、一年後には200万円手にする確率は非常に高い
といったケースの場合、どちらを選択するでしょう?
その選択は人夫々でしょうが、FXや先物取り引きに於いて、いわゆる “損切り” が出来ずに莫大なマイナスを抱えてアッという間に相場から退場してしまう現象を、行動経済学は、
「プロスペクト理論」
という概念で説明しました。
この理論を提唱したのが、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏です。
このプロスペクト理論の詳細は省いて、本題の牛丼無料サービスについて考えてみます。
ただし、NLP的な立場を基にすると、現実として起きたのは “牛丼屋に長蛇の列が出来た” という事象だけで、それを “解釈” するのはあくまでも個人の推論であり、人により異なります。
既述の経済心理学的な視点で解釈すると、後日のネットなどの外野の意見は無視して、実際に “牛丼並をタダで食べられる” というサービスを目当てにお店を訪れると既に順番待ちの長い列が視界に入り、訪れたお客さんの選択枝としては、
- 例え待ったとしても、今、列に並べば “確実に” 無料で牛丼並がゲットできる。今帰ったら、これをアテにしていた食費を別途支出しなければならない。
- 列の長さからすると、たとえ早さがウリの牛丼屋であっても実際にありつけるのは何時になるのか?かなりの時間待つ必要がある。食費は確かに380円浮くが、たかが380円の食事に長時間待つのもオカシイし帰りもかなり遅くなる。牛丼並なんていつでも食べられるのだから、ここは思い切って帰ろう。
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恐らく長蛇の列を見たお客には二つのタイプがあると思われます。
経済心理学の見方では、
- 無料サービスの食事をゲットしないと、確実に食事のコストが380円増える
- もしかしたら、これを目当てにその日のスケジュールを調整する、という見えないコストも既に発生している
というコストを “損切り” 出来るかどうかに掛かっています。
一方、お店の従業員も当日の時間帯は延々と途切れる事のないお客を捌かなければならないので、”本当にお疲れ様” といったところでしょうか?
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