ラポールを築く代わりに質問を相手にする
NLPの講習会などに参加すると、
「先ずはクライアントとのラポールの構築が大事だ」
と何度も強調されると思いますが、実際のNLPのセッションやカウンセリングの場ですと、セラピスト側としても正直、相手とラポールが取れているかどうか明確に分からない場合がままあるかもしれません。
大概の場合、十分なラポールが築かれていないと、クライアント側の “抵抗” というものが認められるとされています。
例えば、セラピストからの提案に対して、クライアントの言葉の中に、
「でも。。。」
とか
「しかし。。。」
といった表現が出現するケースがあるでしょう。
実際のセッションでは時間が限られていますので、十分なラポールを取れない場合には、ラポールだけに集中しないで、いきなりクライアントに “質問” を投げかける方法もあると海外の研究者は報告しています。
その研究者は、その手法を、
「解決志向アプローチ」
と名付けたようです。
クライアントに質問をいきなり投げかけることで、クライアントは
- 自分が本当は何を望んでいるのか?
- どうしたらそれを手に入れる事が可能なのか?
を自らの力で見い出すとしているようです。
その質問の例としては、
- あなたがおっしゃる問題は何の一例ですか?
- その問題に関して、何か他の例はありますか?
- それらの問題のうち、どれを解決したら他の問題も同時に解決できると思いますか?
- 先ず変えるとすれば、何が一番簡単に変えられそうですか?
その次に、クライアントが自分が抱えている問題の本質に気づいた後に、今度は、”問題の原因について考える” 状態から “問題の解決法について考える状態” へと質問を変えていきます。
- 私に相談した結果、何が変わる筈ですか?
- どのような結果を得たいと考えていますか?
- その本題が解決した事は、どのようにすれば知る事が出来ますか?
- この問題が解決したら、今までやってきた事、感じてきた事の代わりに、どのような行動をして、どのようを感じを抱くようになると思いますか?
このクライアントとの質疑応答は、単純な過程であり、ラポールを築くような手間を省きつつも、クライアントが自分自身で問題の解決方法を知る事に繋がるでしょう。
別の言い方をすれば、NLPのセッションでよく使われる、
「問題の “原因” について焦点を当てるのではなく、”望む結果” に焦点を当てる」
というものです。
何かしらの問題を解決したい場合、人間の思考は半自動的に、
「原因を取り除けば、現在悩んでいる問題も解決できる」
と考えがちですが、NLPセッションの場合は、原因そのものには手をつけないケースも現場ではよくある事でしょう。
又、NLP的な会話術では、
「質問には必ず “前提” が含まれており、クライアントが質問に答える場合は、この “前提” を受け入れて無意識の中で処理しないと答えることが出来ない」
というものがあり、この “質問” の性質を利用したアプローチの方法とも言えるかもしれません。
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