ラポールを築くテクニック
NLPの各団体の講習会に参加すると、先ずは講習会の最初の方で基本的スキルとしてクライアントとの “ラポール” を築く演習を行うかと思います。
例えば、
- 相手との姿勢を一致させる
- 声のトーンや話すスピードを相手に合わせる
- 相手との呼吸を合わせる
等などを二人組になって実際の演習で行うでしょう。
そして、上記のような、ある意味では複雑な、あるいはNLP独特の “非言語的” テクニックと呼ぶものに加えて、一番初歩的で以外と効果の高い技術が “相手の使う言葉にペースをあわせる(反映的傾聴)とされているようです。
NLP特有の横文字で言い換えると “バック・トラッキング” と名付けられているスキルです。
今はもう古くなりましたが、1994年に発行された、
「心理療法ハンドブック Handbook of Pshychotherapy」(Bergin and Garfield)
によると、クライアントの約75%が、自分が会話の中で無意識に使う優先する表象システム(視覚・聴覚・体感覚・デジタム聴覚)と同じように使うカウンセラーやセラピストを好ましく感じると報告しています。
実際には、NLPのスキルを実戦で使う場合には、殆どの教科書が英語表記の書籍を日本語に翻訳したものであることから、例文に掲載されている文章は自然な日本語としてはこなれていない事もあり、多少、工夫が必要になるかもしれませんし、所謂 “オウム返し” と呼ばれるような、モロなバックトラッキングは逆に相手が “自分がバカにされている” と感じる例も実際にあるようです。
(例)
クライアント
「友情や親しい仲間との関係を失うのが怖くて堪りません。実際にはそうなっていないのに、そうした状況を予想するだけでパニック発作が起きます」
セラピスト
「友情や親しい仲間を失った時に自分はこうなるのではないかと予想したり考えたりしている状況があって、うなたはその状況を心配しているのですね?」
これは、実際の書籍からの抜粋ですが、”本として一人で文章を読んでいる時” はサラリと読んでしまいますが、実際に状況を理解しようとすると、まるで “ミルトンモデル” のように今一つ何を言っているのか日本語としては理解に苦しんだり、日本語としてはどこかぎこちないのが、言葉の使い方が重要なNLP関連書籍の翻訳本の弱点かもしれません。
世の中にはNLPに限らず、様々な心理療法が存在していますが、どのような手法を用いようと、治療成績が良いと評判のセラピストは、この “言葉によるペース合わせ” が上手で、逆に治療成績の振るわないセラピストは、このスキルも振るわなかったという成果が1950年代から約50年間続けられた研究で報告されているようです。
この傾向は、異種の心理療法は勿論の事、同じ手法を使うセラピストでも同様だったようです。
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