NLP:TVアニメにみるシンプル&グッド クエスチョン

人は大きな問題にぶつかったり、悩みにはまったりすると、心理的な視野狭窄に陥り、見えている筈の解決策が一時的に視野の外側になってしまうことがあります。

通常の心理学のアプローチでは、コーチやカウンセラーがクライアントに対して、あれこれと「アドバイス」や「指示」を与えたりしますが、NLP的なアプローチでは、そのようなことは行わず、クライアントに「質問」を投げかけることにより、ドツボに陥っているクライアントを、その状況から引っ張り上げ、クライアント自らが答えを見出すようにリードしていきます。

クライアントが直面している問題に関する情報や解決策に関しては、コーチやカウンセラーよりも、何よりクライアント自身が一番詳しいという前提に立ったアプローチです。

教科書等だとイマイチ興がのりませんが、アニメやドラマなどを見ていると、「これは良い質問だな」と思う場面が時にはあるでしょう。

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「TVアニメ 「彩雲国物語」シーズン2 第10話」

茶州州牧(現代風にいうと茶州県知事)に任命され、赴任した紅 秀麗(こう しゅうれい)。

その茶州のある村で原因不明の病気が発生し、紅秀麗はその治療の為の医師団を都から引き連れて、その村へと向かった。

村人の間では、その病は原因不明とされていたが、実際は、キツネによって媒介される寄生虫によるものである。

しかし、ある邪教集団は、この病の原因は、新しく茶州州牧に赴任した紅秀麗にあり、彼女を殺せば、病の流行も収束すると吹聴し、多くの村人達もそれを信じてしまう。

村へ向かう途中の小休止で、紅秀麗は、彼女を補佐する副官である、浪 燕青(ろう えんせい)に、もしもの場合には、自分の首を刎ねて事態を収束させてほしい、と懇願する。

(以下、前後の詳細な描写は省略。要点のみ)

紅秀麗

「勿論、私もギリギリまで村人の説得をする。でも、それでも収まらず、紅秀麗という鎮静剤が必要なら、遠慮なく私を殺って頂戴」

浪燕青

「俺に姫さん(※)を殺せというのかい?」
 ※ 燕青は日常、秀麗のことを「姫さん」と呼んでいる

紅秀麗

「・・・・・」

浪燕青

で、姫さんにとって、今回の最善の策って何

紅秀麗

「最善の策?」

浪燕青

「そうだ」

紅秀麗

「・・・”守れるものは全部守る”よ。勿論、私自身もよ。生きて帰るのよ」

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燕青に質問される前は、いざとなったら自分の命と引き換えに事態を収束させようと視野狭窄の状態に陥っていた紅秀麗は、燕青の質問により、新しい視点での選択肢を得ることが出来たようです。

“守れるものは全部守る” というのは、イマイチ具体的内容に欠けるかもしれませんが、見方を変えれば、チャンクアップした行動指針のようなものとも解釈することができ、このアニメの製作陣はNLPなど知る筈はないと思いますが、偶然にも、NLPのセッションのパターンに綺麗にはまっています。

燕青は秀麗に対して、副官としての具体的な助言めいたことは一切しておらず、非常にシンプルな「一つの質問」をしただけです。

そして、この質問に答えるということは、質問の隠された前提である、「解決策は他にもある」ということを無意識の領域で受け入れなければなりません。

結果、このシーンでは、クライアントともみることが出来る秀麗は自分自身で答えを見つけることが出来た次第です。

NLPの勉強というと、何か難しいように感じますが、このように注意深くTVアニメやドラマの登場人物の会話のパターンに注目することにより、

  • その人の無意識の領域に持っているビリーフは何か?
  • その質問の前提は何か?

などに注目することにより、一風変わった楽しみ方も出来るかもしれません。

さて、今回の「彩雲国物語」は、ある日、YouTubeをタラタラ見ていた時に偶然に発見したもので、どうやらラノベが原作のようですが、自分としては結構面白かったです。

しかも、スペイン語の字幕つきのものです。

つまり、世界のどこかで「彩雲国物語」の全話・全ての会話をスペイン語に翻訳した人物(グループ?)がいたのです。

これを発見した時には、日本のアニメというのは本当に世界的に認知されているのだな、と実感しました。

ただし、今現在ではアップロードされたものは、著作権侵害で殆どが削除されているようで、今となっては発見するのは非常に困難でしょう。

もう一度見たい回もあったのに残念。


【BGMに使えるピアノ曲・今週の一曲】

揺れる想い / ZARD

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