NLPの子供の教育への応用

「子供を褒める時には、結果ではなく、それに至った過程に対して褒める」

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TVアニメ 「彩雲国物語」 シーズン1 第13話より

彩雲国の若き皇帝である紫劉輝は腹心の部下2人と共に、お忍びで都の花街一の妓楼「姮娥楼」へと足を運ぶ。

この姮娥楼の女主人である胡蝶(こちょう)は、花街では才色兼備の絶世の美女で有名で知らぬ人はいない。

その胡蝶と紫劉輝が初めて対面した時の会話。

紫劉輝
「・・・確かに美人だ。私も滅多に見たことがない。これなら珠翠(しゅすい)※とも張り合える。」

胡蝶
「おや、最後の一言はいただけないねぇ。。。若様、女を褒める時は、他の女を引き合いに出しちゃいけないよ。」

※珠翠(しゅすい)

皇帝の王宮で女官たちを束ねる筆頭女官。
才色兼備で、かつては連日回廊に溢れるほど求婚者が列をなしたという美女。

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NLPのトレーニングに参加すると、様々なNLPのテクニックについて学びますが、そのスキルを実生活の中でどう活用すればよいのかよく分からない場合があるかもしれません。

今回は、NLPを学校等の子供の教育現場で活用している団体と、具体的な内容の紹介です。

「META Education」

 http://meta4education.co.uk/

ある意味、残念かもしれませんが、イギリスにある団体で、全て英語表記です。

このサイトからは時々、思い出したようにNLPのトピックスに関するニュースレターが届きます。

そして、今回のお題は、子供を

「褒める」

時のコツです。

そこで、親や学校の教師は、子供を「褒めて」才能を伸ばす、というのがよいという事をどこかで聞いたことがあるかもしれません。

そして、この褒めるという行動にもコツがあるようで、

「何かしらの成果・結果について褒めるのではなく、それに至るまでの経過・努力について褒める」

ということらしいです。

子供時代はその人のその後の一生を決定付ける、NLPでいうところの「ビリーフ(信念・価値観)」を形成する重要な時期であると言われています。

そして、その際、子供が、何かしらの成果・結果について褒められると、徐々に、「自分は聡明・知的な人間である」というビリーフを無意識下に形成するようになります。

こうなった場合、子供時代も、そして、大人になってからも、何かに失敗すると(NLP的表現だとフィードバック、あるいは、自分が求める結果が得られなかった)、「自分はダメ人間だ」というレッテル貼りをしてしまい、自分で自分を責めることになります。

そして、自分の行動は、絶対安全牌の行動の選択肢しか取らず、新しいチャレンジを必要とする斬新なアイディアにはトライしなくなるようです。

一方、自分の行動そのもの、あるいは、努力について褒められた子供は、「自分は常にチャレンジャーだ」というビリーフを形成し、何かしらの障害にぶち当たっても、「何か他に方法はある筈だ」という考えで前に進むと述べています。

これは、ニュースレター発行者の個人的な見解ではなく、いくつかの実験で実際に確かめられた事実である、と書いてあります。

他にも、ニュースレターの内容ではありませんが、イギリスの心理学者であるリチャードワイズマン博士の「その科学が成功を決める」(文芸春秋)の中でも同じような実験例が述べられており、あるテストを行ない、優秀な「結果」を示した子供を褒めた後、2つの別のテストを子供の自由選択で実施した結果、半数以上である65%の子供が簡単に解けるテストを選択した、という実験例を紹介しています。

他のテストの結果から総合的に結論を導くと、「頭がいい」と褒められた子供たちは失敗を恐れるようになりがちであるとしています。

「他人との比較で褒めてはいけない・先ずは子供自身の感想を述べさせる」

子供を褒める時のもう一つのポイント。

これは、どの家庭、どの学校でもあることですが、例えば、

「さすが、お兄ちゃんだけあって。。。」

「いつも、クラスで一番を取って、すごいね」

と言われ続けた子供は、「常に他者より優れた結果を出さなければならない」という、自分を制限するビリーフを形成するようになるでしょう。

そして、将来、大人になって、自分としてはもの凄くガンバッたのに、他者に劣る成果を出せなかった場合、自分で自分を責めるようになるかもしれません。

所謂、「挫折」というものです。

そして、私も含めて西洋的・近代的な教育システムの中で育てられた地球上のほとんどの大人は、人生のどこかで必ず、この挫折というものを経験することになります。

さて、この場合、子供を褒める時のNLP的フローとしては

何はともあれ、両親若しくは教師は判断に関するものについては何も口を挟まず、先ずは、子供に質問をして、子ども自身が内面に抱いている状態(ステート)を言語化させる
(「自分としてはガンバッた」「何かとても気持ちいい」等)

  ↓

その後、うまくいった場合には褒めたり、上手くいかなかった場合には、言葉を選んで「フィードバック」という形で「感想」を伝える

といった流れが良いそうです。

さて、この褒めるという行為のコツですが、これは、子供だけではなく、相手が大人の場合でも当てはまるようです。

冒頭に書いた、彩雲国物語の一場面、胡蝶姐さんは海千山千の女傑なので軽くいなしていますが、皇帝の賞賛は、「もっと美人がいたら、あなたなど大したことないよ」という解釈をヒトの脳の無意識はしてしまうかもしれません。

大人の場合でも、相手を褒める時は、「相手が絶対的な事実だとおもっている事」「相手のビリーフ(信念・価値観)」に関して言及するのが善し、といったところでしょうか。

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