フレージング:言葉を使わないコミュニケーション
アメリカ国内において、ペットの躾については超一流と呼ばれる有名なとある男性の動きを記録したビデオを見て、メリーランド大学の大学院過程でダンスを指導しているカレン・ブラッドレーは、こう感想をもらした。
「身体の内部が美しくまとまっているわ」
「下半身の組織だった動きをみると。。。この人、サッカー選手だったのかしら?」
(実際、この男性が若い頃はサッカー選手であった)
通常、ブラッドレーのような身体動作の専門家が人間の動作を理解する時には、「ラバン身体動作表現理論」を使う。
これは、ドイツのルドルフ・ラバンが構築した、身体動作と心理状態の関係を数理的・具体的にとらえようとする理論である。
この理論により、例えば、重心の移し方や、身体を動かす時の滑らかさや対象性、あるいは、ラバン理論でいうところのエフォーと表現する。
その動作は
- 直線的か?
- 曲線的で発散的か?
- どのようなアテンションを伝えているのか?
- 慌しい動きか?
- 穏やかな動きか?
- 力強い動きか?
- 軽やかな動きか?
- どのような意図があるのか?
・・・等々
もし、誰かが何か重要なことを主張したい時、滑らかな動作で一気に片手を振り下ろしたとする。
この時、スピーカーの動作は
「スピーカーが主張したい点が相手(聴衆)にどのように解釈されるか」
に大きな影響を与えている。
理想的な動きは、あなたの腕が流れの決まった強力な動き、力が加速し、決まった場所でピタリと止まる、そして、腕が振り下ろされると同時に、頭と肩も下がるという、姿勢とジェスチャーが一致した動作である。
逆に、この動作とジェスチャーが一致していない場合はどうであろう?
その場合、態度と意図が矛盾していまうことになり、あなたが主張したいことを、誰もその通りには受け取らない可能性が高い。
この動作で卓越した有名人として、ビル・クリントンの「クリントン・ハンマー」、ジョン・F・ケネディの「ケネディ・チョップ」が挙げられるかもしれない。
このような姿勢とジェスチャーの組み合わせは” フレージング” と呼ばれ、コミュニケーション能力に優れた人間は、伝えたい意図とフレージングが一致しており、何かを強調するためには、流れの決まった強力な身体動作が必要であることをよく理解している。
例えば、身体動作の専門家は、ビルクリントン元大統領やロナルド・レーガン元大統領の動作を観察するのが好きだ。
理由は、この二人の元大統領が優れたフレージングの持ち主だからた。
その一方で、ジョージ・W・ブッシュ元大統領についてのフレージングは芳しくない評価だ。
2006年の一般教書演説の際、体全体を揺らし続けていたからだ。
このフレージングにより、専門家によれば、聴衆に対して間違いなく、「青臭い」「少年ぽい」印象を与えるだろうと言う。
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