がん治療への心理学的アプローチ (1)

「サイモントン療法の一例」

アメリカの64才になるとある男性は、致命的な咽頭ガンと診断され、医師からは生存の確率は5%にも満たないであろうと宣告されていた。

その時にはすでに、体重も落ち、唾液も自分の力で飲み込むのも困難を極めるほど、体力も衰弱していたのです。

医師たちは、このような患者の状態を見て、放射線治療を施すかどうか迷っていました。

というのも、たとえ、放射線治療を実施したとしても、患者の生存の確率は高まることの希望は極めて低く、逆に、治療による副作用の影響が懸念されていたからです。

しかしながら、医師たちは、最終的には放射線治療を実施することを決定したのです。

ただ一点だけ、この患者にとって幸運だったのは、ガン治療を専門とする放射線科医であり、テキサス州ダラスのガン・カウンセリング研究センターの医部長O・カール・サイモントン博士がこの治療に参加することでした。

サイモントン博士は、今回の患者に対し、自分自身の力で病状の進行に影響を与えることが可能であることを教示したのです。

そして、サイモントン博士自身と彼の共同研究者らにより開発されたリラクゼーションとイメージ・トレーニングの具体的な方法にについて解説しました。

この時点から、このガン患者は一日3回の放射線治療を受けつつ、その放射線が何百万発の小さな弾丸となって、がん細胞を攻撃する場面、そして、その攻撃によりガン細胞が弱体化し、攻撃による損傷を回復できない状態をイメージを頭の中でイメージすることを日課としたのです。

そして、今度は、ガン細胞を攻撃する免疫系の白血球が登場すると、死んだガン細胞や瀕死の状態にあるガン細胞に向かって群れをなして押し寄せ、標的となったガン細胞を体外に排出するべく肝臓や腎臓に運び込んでいく様子もイメージしました。

そして、この治療結果は劇的なものになり、通常このようなケースで患者が放射線のみで治療を受けた場合に得られる結果よりも、はるかに良いものとなったのです。

通常の治療の結果しか見たことのない医師にとっては、まさに「魔術のような」好結果だったのです。

今回の患者の場合、皮膚や粘膜の損傷といった、通常、放射線治療に伴って観察される副作用は、全くといってよいほど認められず、たった2ケ月の間にガンの徴候は跡形もなく消え去ってしまいました。

今回の、この患者の驚くべき回復力は、毎日のイメージトレーニングによるものが大きいとサイモントン博士は考えています。
(サイモントン博士は、2012年に永眠)

さらに詳しく調査を行うことの目的で、サイモントン博士らは、医学的に治療不可能とされたガンを発症している159人の患者に対し、イメージ療法のテクニックを教えました。

このような患者の余命は、通常、一年間とされていましたが、今回の調査の対象となった患者のケースでは、4年後において、63人が存命していました。

詳しい内訳を見てみると、

  • 14人は病気の徴候は全く認められず
  • 12人はガンが退縮
  • 17人は病状は安定したままであり、ガンの進行は認められず

といった内容であり、患者グループ全体の平均生存期間は 24.2ヶ月であり。全国平均の倍以上でした。


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揺れる想い / ZARD

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