動物は人間自らが気付かない微妙な身体の動きを理解する
動物といっても、ここではペットとして一番一般的な「犬」のことを指します。
なぜ犬かと言うと、
「犬は他の動物と違って、人間の動作を観察する動物」
だそうです。
例えば、犬は人間の身体の傾きに注目しているようです。
- 前かがみか?
- 後ろにそっているか?
もし、前かがみであれば、犬はその人間を攻撃的と見るかもしれませんし、後ろにそっているのであれば、威嚇的でないと判断するでしょう。
なぜかと言うと、人間の身体がほんの数センチでも後ろにそっていると、それを見た犬は、前に踏み出すための「予備的動作」を放棄したものと判断するのだそうです。
その他にも、
- 人間が微かにでも首を傾げれば、犬は警戒を解く
- 人間が犬をまっすぐに見据えれば、犬は警戒態勢となる
なども挙げられます。
さらには、人間の呼吸のリズムさえも観察・判別し、人間の呼吸が一定のリズムで落ち着いたものなのか、あるいは、息をこらしているかによって、その人間に対する態度を決定するとされているようです。
以上のような事柄は、視点を犬を中心として述べていますが、逆の人間の立場で考えると、人間は内面の感情的な変化が当の人間ですら判別できないくらいの微細なレベルで、無意識に身体の状態や動きに表出されてしまう、ということになるとも考えられます。
さらには、ウィスコンシン大学で動物行動学を教えている学者は
- 犬は人間の「目」を見ている
- 瞳孔が大きく開いた目は、攻撃と興奮のサインである
- 犬は人間の表情の柔らかさ、顔の筋肉の弛緩状態に注意を払っている
- 顔の状態のみならず、腕の位置にさえも観察の対象となっている
と主張しています。
以上の事柄から、例えば、犬の散歩中に他の犬と遭遇した場合の状況において、別の見方が出来ると思います。
犬は、相手の犬の飼い主の表情等の非言語的な情報を解析します。
当然、飼い主の表情は、「喧嘩をしないかしら?」「吠えないかしら?」等の思考から、無意識に身体を緊張状態にし、リードを掴む手には力が入り、無意識的にリードを持つ手を胸元に寄せるかもしれません。
場合によれば、瞳孔も開いているかもしれません。
これを見た犬は、相手の飼い主に対する攻撃態勢を整え、当然、そういった場面では吠えるのは当たり前、という見方もできるでしょう。
こればかりは、犬に尋ねてみなければ分かりませんが。。。
繰り返しになりますが、ここで注目したいのは、犬のそういった観察能力ではなく、ヒトは心の状態というものが無意識的に身体の微妙な状態・動きに否応なく表されてしまうという事です。
例えば、上記の例にある、「瞳孔の大きさの変化」などは、環境の明るさに対する無意識的な肉体の反応であり、意思の力で瞳孔を大きくしたり小さくしたりするのは、まずもって不可能でしょう。
そして、この「犬並みの観察能力」を駆使すれば、カウンセリングやコーチングのセッション時にクライアント自身でさえ気付かない、「無意識の意図」というものを読み取ることが可能になるでしょう。
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