催眠:無意識領域へ直接メッセージを届ける (2)
前回のエントリー「無意識の領域にメッセージを届ける (1)」で、聴覚におけるサブミナル効果を利用して催眠用のBGMを作成してみる可能性についてお話しましたが、早速、ためしに作ってみました。
題材に何をするか迷いましたが、一番無難な、古典催眠で多用される一般的なリラクゼーションをチョイスしました。
前回、お話したように、下記の音楽を聴いてみても、私の声は殆どというか一切聞こえないと思いますが、実際には、パソコンで加工した私の暗示文が埋め込まれています。
13曲目あたりまで(約45分)はリラクゼーション深化のプロセスを行っており、催眠に慣れている人であれば、この時点での脳波はθ(シータ)波レベルに達しているいるかもしれません。
それ以降は、短い時間での完全な覚醒のためのプロセスとなっており、脳波で言えば、通常のβ(ベータ)波の状態です。
ちなみに、使用した曲名と順番は以下の通り。
- 引き潮
- ダニー・ボーイ / イギリス民謡
- カノン / パッヘルベル
- G線上のアリア / バッハ
- アベ・マリア / グノー
- アベ・マリア / カッチーニ
- 月の光 / ドビュッシー
- 亜麻色の髪の乙女 / ドビュッシー
- 夢 / ドビュッシー
- ジムノペティエ / サティ
- 愛の夢 / リスト
- 亡き王女のためのパヴァーヌ / ラヴェル
- 白鳥 / サン・サーンス
- あこがれ愛 / ジョージ・ウィンストン
- 命の名前 / 久石譲
- 君をのせて / 久石譲
- さくら / いきものがかり
- 千の風になって / 新井 満
「古典催眠によるリラクゼーションのための音楽集 (ハープ演奏)」
これは、催眠の話からは離れてしまいますが、どのようにして音楽を作成したかというと、下の図はとある曲の一部のパソコン上での音声データを示しています。

音声はステレオですので、上側のデータは右の音声、下段のデータは左の音声を表示しています。
例えば、この音声の大きい箇所(山が大きいところ)に、別途録音した暗示文の音声を小さな音量で埋め込んでいきます。
その際の暗示文も
- 昔のテープレコーダーの早回しのように、通常の会話では実現不可能な程の早口
- 通常の催眠のセッションでは、「あなたは、だんだんとリラックスしていきます」といった誘導文を、「”あなた”、”だんだん”、(数十秒間の間)”リラックス”」に細切れにして、曲中に分散させる
- わざと聞き取りにくいモゴモゴした口調にする
等、意味は通じるけれども、日常の会話としては非常に不自然な&様々な形に暗示文を加工してあります。
また、このような音声の加工も、操作さえ知ってしまえば、パソコンのソフトで簡単にできてしまいます。
この音楽集の中盤くらいまでは、クラッシックの曲をメインにしていますので、クラッシックに興味のない人にとっては、ある意味、悪くはないけれども「退屈」な部分かもしれません。
そして、この「退屈」というものが催眠の変性意識状態への誘導に有効な場合もあるようです。
これは、昔、外国から来たエリクソン催眠のワークショップに参加した時に、講師が話した例です。
とあるクライアントがエリクソン博士の診療所へセラピーに訪れ、セッションを開始したところ、エリクソン博士は次のような話を語りだしました。
「実は、最近、私の孫娘が掛け算の九九を覚えましてね。。。私のところにきて、こう言うのですよ。。。1×2は2、1×3は3、1×3は3・・・・」
こんな退屈な話をスローなテンポで、延々と聞かされたクライアントは、さすがに抵抗できずに、変性意識状態へと誘導されたとの事。
ウソかホントか知りませんが。。。
話は、戻りますが、今回の催眠音楽。
今回は、一般的なリラクゼーションをテーマに選びましたが、これを、自分の望む内容にすれば、願望実現のオーダーメイド音楽となります。
なお、これはCMですがご了承ください。
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