色彩心理学:子供のIQを高める勉強部屋
「学校の成績を上げたければ、勉強部屋の環境を意識する」
ドイツのある調査チームが、子供の遊戯室の内装と、そこで遊ぶ子供のIQとの関連性について実験を行ったようです。
ただし、この調査チームの詳細や、いつ・どこで行われたか・どのような子供たちか等は不明。
実験の内容は、子供たちを二つのグループに分け、一方のグループは明るい色を使った部屋、もう一方のグループは白と黒と茶色の塗装をした部屋で遊ばせました。
一定時間後、IQテストを行った結果、「楽しい部屋」で遊んだグループの子供はIQが12ポイント上昇し、逆に、「いやな部屋」のグループは14ポイント下落したという結果が得られました。
別の調査では、3つの新設した小学校の児童の行動や学習成績を二年間に渡り、丹念に追跡調査した例があります。
これら3つの学校の色彩環境は以下の通り。
- 当時の従来の学校のように、壁は淡黄色、天井は白
- 内部塗装はせず
- 色彩力学を応用して、学校施設の各所にカラフルな塗装を施す
例として以下の通り
- 廊下は黄色
- ドアはグレー
- 北向きの教室は淡いピンク色
- 南向きの教室は青色か緑色
- 全ての教室において側面より正面の壁の色を濃くする
- 黒板は反射防止の処理をした緑色
- 美術室は、子供たちの独創的な色の使い方に支障を及ぼさないようにグリーン調の淡い色
等
これら、三種類の色彩力学の条件下で幼稚園~小学校一年までの継続的な追跡調査が行われた。
その結果、カラフルな色彩処理を施された三番目の学校の子供たちは、対人機能・健康習慣・言語機能・算数、社会、理科、音楽において最大の能力向上が認められた。
二番目の内部塗装しなかった学校の子供たちは最低の記録を示し、従来の塗装の条件下の場合は、その中間の成績であった。
明るい暖色系の色彩は刺激的であるから、独創的なアイディアを出すには、例えば、赤い色の部屋がいいのではないかと思われがちですが、実際は、ソフトな寒冷色系の方が適しているようです。
独創的な思考の状態になるには、意識は自分の内面に向かって集中させる必要があるので、刺激的な色は寧ろ逆効果であると言えるでしょう。
別の実験では、逆の結果が得られているようです。
ただし、この場合は対象が大人です。
1980年代にある種の「ピンク色」が情緒不安定、あるいは凶暴性を有する人の感情を、実際に沈静化する作用が認められました。
私は見たことがないのですが、「ベイカー=ミラー・ピンク」という色です。
画像検索したところ、私的には、濃い目の桜色、といった感じです。
例えば、刑務所の場合、それまでは凶暴で攻撃的であった囚人が、この色の独房に入れられた途端(大体、数分後)、おとなしくなってしまうようです。
この現象は、ワシントン州の臨床心理学者である、アレクサンダー・G・シャウス氏により発見されました。
シャウス氏自身が実験し、自分を意図的に興奮状態にした後、このベイカー=ミラー・ピンクのボール紙を見た結果、他の色に比べて、心臓の鼓動・脈拍・血圧の全ての数値について、より急速に低下したとの事です。
このような事例から、現在では、世界中の刑務所で、壁の塗装の色に採用されているようです。
この例を応用すると、例えば、大勢の人の前でスピーチをしたり、パフォーマンスを演じる前に、どうしても緊張してしまう場合には、このピンク色のハンカチ等を用意し、それをじっと見ることにより、わけの分からないおまじないをするよりずっと効果があるかもしれません。
まさに、飲むクスリというより、「見るクスリ」といったところでしょうか?
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