無意識のうちに人体をコントロールする生体リズム
他の動物と同様に、人間の活動はいくつかの生理的なリズムによりコントロールされています。
端的に言うと、ある一定の時間間隔により、絶好調な時と不調な時の波が交互に現れ、常に絶好調を維持し、右肩上がりの状態を保つことは、ほぼ不可能と言えるかもしれません。
この生体リズムはいくつかの周期に分類され、90分から100分ごとに歯車が回るものもあれば、一日24時間に一回、あるいは、おおよそ一ヶ月あるいは、長いものでは一年に一回の周期に乗るものもあります。
このような生体のリズムは医学的に古くから認められている現象であり、これらのリズムにはラテン語に由来する名称が付けられている。
例
- サーカディアン・リズム
「約一日」の意味のラテン語
約24時間ごとの周期を持つ生体リズム
- ウルトラディアン・リズム
サーカディアンより短く、一日に2回以上の繰り返しを認める生体リズム
- インフラディアン・リズム
一週間に一回といった、一日一回未満の生体リズム
- サーカメンシュアル・リズム
約一ヶ月に一回の生体リズム
- サーカニュアル・リズム
約一年に一回の生体リズム
具体的な例として、例えば、ウルトラディアン・リズムは、その周期が90分から100分の場合が多いと言われています。
食事をして、丁度満足の量を摂取した場合、人間の胃袋は約90分ごとに収縮するようです。
例えば、こんな実験があります。
警察の取調べ室のように、外側からしか室内を観察できないような部屋に被験者を閉じ込め、自由に飲食等を許可してその行動を観察すると、多くの被験者は85分から100分ごとに、食べ物・飲み物・タバコ等に手を出すことが観察されるとのことです。
あるいは、長時間にわたり精神を集中したり、学習をしたりしなければならない時に、人間の注意力と集中力は約100分に一回ずつピークに達することも明らかにされているようです。
そして、このピークを過ぎて、次のピークまでのほぼ中間で、今度は眠気がピークに達し、生理的に小休止の必要を感じるようになります。
旅行中とか仕事の関係ですっかり疲れきって、それから、約45分後にやっと就寝したものの、今度は目が冴えて眠れないことがありますが、実は、この現象が人体のウルトラディアン周期そのものが犯人であるようです。
逆に、このウルトラディアン・リズムの存在を知っていれば、大事なプレゼンテーションの時などは、生体のリズムがピークになるように時間調節をすれば、無意識のレベルでパフォーマンスを上げることが出来ることになります。
その他の例として、風邪でも引かないと気付かないことですが、人間は左右両方の鼻の穴で同じように呼吸をしている訳ではありません。
たいていの人は、左右どちらか一方の鼻の穴で2~3時間呼吸してから、休止中に組織の充血をきたしているもう一方の鼻の穴の呼吸へと、無意識的にスイッチングしています。
さらには、睡眠時に夢を見る時に特異的に観察される現象として、「REM(Rapid Eye Moving:急速眼球運動)」がありますが、この生理現象も平均90分間の周期で繰り返されている、と言われています。
以上のような、生体のリズムの存在を意識することにより、
- NLPや催眠のセッション
- 身近な例では職場等の会議
は1クールの時間として、大体1時間半~2時間弱が適当な時間であるとも考えられます。
この位の時間を取れば、参加者全員が少なくとも1回は集中力が高まり、脳のパフォーマンスが高い状態になるからです。
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