催眠(暗示)でイボを治す
最近では恐らく殆ど見かけなくなったと思いますが、私が子供の頃には、私も含めて体表に、ある日突然「イボ」が現れる、といったケースが時折ありました。
このイボの正体は、ヒトDNAの中に忍び込んだパピローマ・ウイルス(いぼウイルス)が何かのきっかけで活性化することにあります。
あまりにひどい場合には、整形外科でレーザーで焼き切る、といった処置も取られていたようですが、大概の場合、自然に消滅してしまいます。
最近、精神生物学の本を読んでいたらこのイボについて面白い記述がありました。
海外では、子供のイボを治療するために、何世紀も前から伝わる民間伝承的な方法を用いているようです。
それは、みるからに優しいお医者さんが子供に向かって、10セント硬貨を与えて、その硬貨をもらった子供は、コインを枕の下におき、イボ1つを “買い取ってもらう” という暗示を与えてイボを治してしまう、という方法です。
すなわち、この暗示によって、寝てる間に自然にイボが消失してしまう、ということのようです。
ロックという医師は、パピローマ・ウイルス(いぼウイルスの正式名称)が原因とされるイボを治療するために催眠を利用して治療を試み、1927年からの成功した例を41例発表している。
(Locke,1986)
それ以降も、統計学的な方法を駆使した、より科学的なアプローチを盛り込んだ試験が行われているようです。
イボを催眠的なアプローチで治療を試みている医者は
- あらかじめ催眠誘導があってもなくても、イボが消えるという暗示は有効である。
- イボが消えるという暗示やイメージをクリアにもつことが出来るクライアントのほうが、鮮明なイメージをもっていないクライアントより治りやすい
という仮説を持っているようです。
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