青色防犯灯再び
色というのが、人間の心理に様々な影響を与えているらしい、ということは経験から分かっています。
例えば、ヨーロッパにおいて1951年から2000年までの間、約2万人の色に対するデータをとったところ、
赤色-興奮
青色-落ち着き
黄色-快活
緑色-安らぎ
という、各色に対するイメージを持っており、5分の4の意味は変わっていません。これは色彩心理学における貴重なデータです。
また、色が単なるイメージではなく、人間の肉体のパフォーマンスに対する実験も行われています。
実験1
被験者10人の力を予め測定し、力が均等になるように無作為に5人ずつの2チームに分けます。
片方には、赤色のTシャツを着せ、赤しか目に入らないように真ん中にはついたてをします。
(ついたても赤)
逆にもう一方には、青色のTシャツ・ついたても青で、綱引き実験。
(実験結果)赤チームの勝ち
実験2
上記の実験を、チームカラーを交換して再び、綱引きの勝負。
(実験結果)先程、負けていたチーム(青色チーム)が赤色のシャツを着て勝ち。
なんていう実験データも得られています。
これは、人間ではなく、”しいたけ”の実験なのですが、しいたけの人工栽培の室内の照明を、蛍光灯から青色LEDに変更したところ、総重量が9%アップした、という実験結果も得られています。
(ホントかよ~、という感じですが。。。)
以前、色彩心理学の一つとして、「青色防犯灯」のお話をしました。
具体的には、イギリスのある都市で、街路灯の色を青色にしたら、犯罪率が激減した、という内容ですが、知らないうちに、日本国内でもかなりというか、予想以上に導入が進んでいるようです。
以下、 かなり古い記事ですが、
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2643085/4610550
より引用。
【9月17日 AFP】
JR東日本(East Japan Railway、JR East)は17日、山手線全29駅のホームに、自殺防止対策として青色の照明灯を設置すると発表した。
JR東日本によると、青色の発光ダイオード(LED)はすでに7駅に設置が完了しており、10月末までに山手線全駅への設置を終える見込み。
JR東日本の広報担当者は、青色は人びとの精神状態を穏やかにする効果があるとされていると述べ、自殺防止対策とともに落書きやポイ捨てなどの軽微な犯罪を抑止する目的もあるとした。
日本の自殺率は、すでに世界で最も高いレベルに達している。記録的な失業率を伴った戦後最悪の景気低迷以来、自殺者は増加している。都内のJR駅での2008年度の自殺者数は68人に上っており、07年度は58人、06年度は42人だった。
(引用終わり)
もひとつ、これも古いですが、
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090109/123370/
より引用
事故・自殺防止に効果? 鉄道各社に広がる「青色照明」
2009年1月9日
「心に安らぎを与える」「冷静」などのイメージから、心理的作用が期待できるとして防犯目的で全国各地に設置されている青色照明が、鉄道各社にも広がりを見せている。
2006年12月から事故・自殺防止対策として青色照明を導入したJR西日本の踏切では、設置以降、夜間の事故や飛び込み自殺がゼロになった。
省エネや不正乗車対策として青色照明を取り入れるところもあり、目的は多岐にわたる。
青色照明の効果については因果関係がはっきりしないとして、慎重な見方もある一方で、現場にかかわる人々の期待感は小さくはなさそうだ。
導入は8社、事故・自殺防止目的が多数
他社に先駆けて青色照明を導入したのはJR西日本だ。
踏切を強引に通過する車や自殺者を防ぐため、2006年12月から阪和線や関西線など3線の踏み切り計38カ所に段階的に青色照明を設置した。
その結果、点灯中の事故や自殺がなくなった。
設置時期や数に違いはあるものの、同じ目的で青色照明を導入する鉄道会社は多い。
JR東海は2008年8月から東海道線や中央線など3線の踏み切り計10カ所に青色照明を設置。
今後、青色照明のない静岡地区にも導入の計画がある。
また、JR九州は2008年12月から青色照明を試験的に導入し、半年間検証した上で本格的な設置について検討していく考えだ。
(引用終わり)
上記は、鉄道各社の例でしたが、その他、市街地にも導入する例も多く、実際に効果も出ているみたいです。
心理学というと、イマイチ掴み所がなく、効果の程の分かりづらいですが、この色彩心理学は、現実社会で取り入れられ、しかも、効果を発揮している珍しい分野ではないかと感じた次第です。
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