心の法則
催眠療法と言えば、ミルトン・エリクソン等で有名なように、アメリカが発祥の地であると思われがちかもしれませんが、もともとは、19世紀から20世紀にかけて、ヨーロッパにおいて催眠療法の研究に多くの注目が注がれました。
その中心はフランスで、催眠療法の主要学派の多くがここで創出されたとされています。
催眠というものは、このように、学問的にヨーロッパを拠点に研究されていましたが、現在のように、催眠が「胡散臭いもの」「催眠ショーのように荒唐無稽なもの」と、(洋の東西問わず)多くの人が思っているのは、アメリカに催眠が上陸した時に、当時の興行士が、そういったイメージに勝手に作り上げてしまったことが発端のようです。
当時、フランスの薬剤師で、「プラシーボ効果」の発見者でもあったエミール・クーエ氏は、「自己暗示法」を作りあげ、それを基に心の法則をまとめました。
彼によれば、無意識をプログラミングするには、単純な自己暗示だけで十分だというのです。
ただし、これには条件・前提があり、
- その暗示が特定の法則に従って作られている
- その暗示が繰り返し用いられる
ならでばです。
さて、このクーエ氏が考案した創出したものに「心の法則」というものがあります。
これは、無意識の一般的な挙動についてまとめたものであり、暗示文の作成時にも留意しておかなければならないものですので、簡単にここで、紹介しておきます。
「注意集中の法則」
もし、あなたが自分の注意を特定のアイディアに集中して向け続けたならば、そのアイディアは極めて高い確率で実現する。
「逆作用の法則」
あなたは、何かを行うときに頑張ろうとすればするほど、それをうまくできなくなる。
「絶対的作用の法則」
圧倒的に強力な感情が関わっている暗示は、そのときに心の中にある他のいかなる暗示をも追い出してしまう。
いずれの場合においても、本人の無意識に否定的・ネガティブな価値観・信念体系を持っている限り、あなたの成功のための行動はことごとく失敗に終わる可能性が非常に高いといえるでしょう。
言い方を変えると、「願望」だけでは変化を起こすことはできない、ということになるでしょう。
その人が持つ「信念・価値観」は一般に「願望」よりも強力であり、結果的には「願望」を打ち負かすことになるでしょう。
上記の法則はかなり昔に提唱されたものなので、何か稚拙な感じがしないでもないですが、NLPを知っているならば、ナルホドネ~と感じるかもしれません。
例えば、上記の「逆作用の法則」は、見方を変えれば、「条件付の未来」のことであり(頑張れば望む結果が得られる)、現在でも暗示文の作成の際(NLPのコースによっては「瞑想」という名称)には、この点を留意して、「望む結果は既に得られている」といった具合に、「現在形」で記述します。
また、「絶対的作用の法則」は、例えば、子供の頃に肩車に乗り、親の不注意で落っこちてしまい、その「たった1回」の出来事で、その後の一生、「高所恐怖症」になってしまう、といった現象や、あるいは、現在でいうところのPTSD等のトラウマにも当てはまるでしょう。
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