EMDRの具体的な方法・やり方 (1)
この動画では、EMDRの他に、トラウマの療法の1つである「バタフライ・ハグ」が実際に使われている場面が「一瞬」出てきます。
また、EMDRの最新兵器も登場。
動画に登場しているメガネの女性は、EMDR開発者のシャピロ博士。
EMDRは、アメリカのシャピロ博士により1980年代に開発された心理療法の1つ。
この療法が提唱されてからの研究により、心因性のトラウマ(PTSD・・・Posttraumatic stress disorder)
- 戦争
- 児童虐待
- 性的虐待
- 交通事故
- 自然災害
- 労働災害
等に有効であることが示されている。
実際、米国ではコロラド州における高校の銃乱射事件、オクラホマ市の爆弾事件、さらには、9.11テロの際はEMDRのセラピストがニューヨークに出動した。
一方、様々な不安症や恐怖症(フォビア・・・例:蜘蛛嫌い・飛行機恐怖症等)の、症状の原因となる出来事がクライアントにとってもはっきりと掴めない症状に対して、有効かどうかは意見が分かれている。
(治験の例が少なく科学的判断ができない)
EMDRは、大人に限らず、対象が子供でもあっても効果を発揮する。
PTSDは、クライアントが予想もつかないような衝撃的な出来事に遭遇した際、脳内の情報処理系がパンク&フリーズしていまい、その出来事を単なる記憶の1つとして、処理することが出来ず、体験した時の状況を五感(見えるもの、聞こえるもの、匂うもの、感じるもの)全てを伴って記憶領域に留めてしまうため、クライアントは、その出来事を思い起こす度に、まさに、その出来事を、再「体験」していまう。
この時、EMDRを行う際の、目の動き、音、あるいは、タッピングにより、言うなれば、1つの塊となった、出来事自体の記憶と、その時の五感の記憶を、解きほぐすことにより、対象となる出来事を通常の脳の処理に任せることができる。
これは、人間が眠っている最中に記憶の処理を行うといわれている、REM睡眠、一般的には「夢」とされている脳の活動に関係していると考えられている。
(REM・・・Rapid Eye Moving)
このことから、EMDRは、原因となった出来事を「忘れる」のではなく、思い出しても、他の思い出と同じように、心理的な変化を伴わない、といった状態にすることが最終的なゴールとなる。
EMDRは、単なる眼球の動作だけだと考えられがちだが、実際のセラピーには、いくつかの治療ステップに分けられた、1つのステップにすぎない。
また、この治療のステップ(protocols)は予め定められている。
おおまかな流れは、
セラピストによる、クライアントのインタビュー
↓
「安心・安全」な環境・状況を確保するための、深呼吸・ヴィジュアリゼーション等のリラクゼーション
↓
そして、いよいよ眼球運動。
セラピストは、左右の眼球運動を指示しながら、クライアントに原因となった出来事を思い出してもらう。
眼球運動の他に、音を使ったり、タッピングを使ったりするセラピストもいるらしい。
↓
クライアントはセラピーの間、どんな心理状態か?あるいは、何か新しい事に気付いたか?をセラピストに報告する。
↓
大概の場合、EMDR開始当初は不安の度合いは大きいが、セラピーを進めていくうちに、徐々に不安は小さくなっていく。
恐らく、代表的なEMDRセラピーのプロセスと考えられる動画
「Integral Eye Movement Technique」
セラピストは、「全く不安のない状態を0(ゼロ)、とても不安な状態を10としたら、今の状態は数字にしたらいくつですか?」とクライアントに尋ねている。
(開始後10秒あたり)
何回かの眼球運動の後、クライアントである少女は「7」と答え、それに対してセラピストは「いいですね。レベルが1つ下がっていますね」とフィードバックしている。
(開始後2分30秒あたり)
セラピストの英語は聞き取れますが、クライアントである少女の英語は早すぎて、殆ど聞き取れません。。。(汗)
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