タイガー・ウッズのメンタル・トレーニング (5)
「メンタル面のパフォーマカスには儀式が重要」
近くの図書館で、プロ・ゴルファーで有名なタイガー・ウッズの本を借りて読んでみたら、興味あることが、イロイロ紹介されていました。
ゴルフの本であるにも関わらず、心理学的にも興味ある記述も多々あり、私的には非常に面白い書籍です。
これは、タイガー自身の話ではないのですが、本書に紹介されているプロ・ゴルファー、ベン・ホーガンの話です。
ホーガンは、トーナメント会場に入る際、時間には十分な余裕を持って到着し、その際、車の運転も通常よりゆっくりとさせてしたそうです。
会場に到着後もコースに入ってからも、例えば、靴紐を結ぶ動作などは、あたかも「カタツムリ」の動きのように、あえてユックリと行いました。
このように、試合の準備段階で、全ての動作をゆったりと行うことにより、自分の気持ちも静まり、リラックス出来、かつ集中力を高めていきます。
この動作を毎試合、「儀式」のように、必ず行ったそうです。
また、試合時の服装も意識していて、ホーガンは、派手な色は避け、流行は追わず、コンサバな色のコットン・シャツを身につけていました。
ズボンもなおざりにせず、きちんとプレスのきかせて完璧に仕立てられていました。
シューズは新しいピカピカの黒か白のか革靴で、白いハンティング帽子を被った装いで、自分自身の自信を高めていったようです。
タイガー自身もこれをマネして、特に、トーナメント最終日には、赤と黒のウェアを身につけるのは、よく知られているようです。
試合前のこのような一連の動作を「儀式化」することにより、それがアンカーとなって、毎試合、一定以上のパフォーマンスを発揮できるのでしょう。
あるいは、もっと俗っぽく表現すれば、世間で言われる「ジンクス」というのも(試合時に○○すれば、試合に勝つ)、アンカリングの一種といえるでしょう。
ここで、思い出されるのが、大リーグで活躍中のイチロー選手です。
イチロー選手がバッターボックスに入って、打撃のポーズを構えるまで、必ず判で押したように一連の同じ動作することは有名ですが、このように心理的には集中している一方で、リラックスする状態を作り出せるかどうかが、プロの場で活躍できるかどうかのキーポイントの1つなのでしょう。
逆に言うと、学校の部活などで、「もっとキビキビと動け」「モタモタするな」という指示は愚の骨頂かもしれません。
このような視点で考えると、プロのアスリートの動作には、ある意味での無駄がなく、全ての動作には意味があると予想できます。
そして、その意味は、個人個人で異なり、一種の「企業秘密」なのかもしれません。
NLPなどをやっていると、クライアントの無意識の動作の観察力が重要になるので、プロのアスリートの1つ1つの動作についても、つい、「これは何を意味しているのだろう」というフレームで見てしまいます。
一種の職業病みたいなものですネ。
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