タイガー・ウッズのメンタル・トレーニング (2)

近くの図書館で、プロ・ゴルファーで有名なタイガー・ウッズの本を借りて読んでみたら、興味あることが、イロイロ紹介されていました。

ゴルフの本であるにも関わらず、心理学的にも興味ある記述も多々あり、私的には非常に面白い書籍です。

この本を読んでみると、タイガー・ウッズの驚異的な才能は、表舞台には出てこない、様々な、そして優れた「先生」の手ほどきのもとで開花したことが分かります。

最初の先生である、実父のアールから、あのカリスマ・コーチとして有名なブッチ・ハーモンまで、沢山います。

その中で変り種の先生が、父親のアールがタイガーを連れて行った、心理学者のジェイ・フレンザ医師です。

何で、ゴルフに臨床心理学者なのか?

この本の著者がつきとめたのが、タイガーは、このブレンザ医師から「催眠療法」を受けていた、という事実です。

この催眠療法により、タイガーは試合の際、どんな状況になっても平常心を失わない強靭なメンタリティを自らコントロール出来るようになったようです。

それと、同時に、一流のアスリートが時折、体験すると言われている、脳の「ゾーン」状態へ入る手順を、タイガーは、このブレンザ医師から教わったとようです。

ブレンザ医師は、催眠療法の手法を用いて、ものの一分もしないうちに、タイガーを「トランス」状態にもっていくのです。
(現在では、NLPのスキルを用いても、一瞬でトランスへ持っていけます)

話は、横道に逸れますが、この本を読んで初めて知ったのですが、ボクシング界のチャンピオンである、あのモハメッド・アリも実は、「催眠療法」を受けていた、という記述もありました。

通常、ゴルフの試合においては、コースに出たプレイヤーは、コース上で、「このパットを外したらどうしよう」とか、「なんだか右側バンカーは嫌だな」と思います。

NLPでは、この種の自己問答を「内的会話」と呼び、上記の場合には、脳は「パットを外すこと」「バンカーに入れてしまうこと」に焦点を当てていますから、本当にそうなってしまう可能性が高いかもしれません。(自己成就的予言)

一方、ブレンザ医師は、催眠を用いて、コースに出たタイガーの、このような否定的な内的会話を払拭しました。

このようにして、催眠療法を受けたタイガーは、コース上におけるメンタル面での不安定感が殆ど見られなくなり、最高の集中力をもって各ショットに望むことが出来るようになりました。

また、ニューヨーク・ヤンキースのマインド・マネージャー(メンタル・コーチ)で、プロ・ボクシングの元世界ヘビー級チャンピオンであったインベダー・ホリフィールドのメンタル面を指導した経験も持つ、フラン・ピロッツォロ医師は、「集中するということに関しては、タイガーの右に出るものはいない」と言わしめています。

どこかにも書きましたが、トリノオリンピックの金メダリストである、荒川選手や、現役で活躍している浅田選手は、海外のコーチに師事しています。

多分、これらのコーチもメンタルのコントロール方法を体系的に教えていると私自身は予想しています。

日本国内だけですと、スポーツといえば、先ずは「根性論」が重視されていますが、欧米では、NLPに代表されるように、メンタル・コントロールやメンタル面強化というものは、完全に科学として捉えられ、その手法も体系化されているのです。

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