常識の壁を越える

陸上競技を見たり、実際の選手なら誰でも知っている競技の1つである、「走り高跳び」のお話です。

私が小学校・中学校時代の体育の授業の時、当時、教わったのは「ベビーロール(鋏み飛び)」でした。

いわゆる、正面を向いたまま頭からバーに向かって飛び込んでいく方式です。

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この方式ですと、選手はバーの高さを目で確認しながら跳ぶので、それはそれで理に適ったとびかたでしょう。

実際、1960年代まで、走り高跳びのコーチは皆、選手に対して、そのような指導をしてきました。

それが、その当時の、走り高跳びにおける「常識」だったのです。

ある時、ディック・フォスベリーという選手が、助走をしてバーの前までくると、180°体をひねって、背中からバーを越えて見せました。

所謂、「背面跳び」です。

その跳び方は、その当時は滑稽に見え、周囲の人はせせら笑い、米タイム紙は「いまだかつて考案された中で最も滑稽な跳び方」と評した程です。

そして、この跳び方は公式の大会では認めない、という意見すらあったほどです。

しかしながら、そんな評価をよそに、フォスベリーはこの、「背面跳び」で大会に出場し続け、最後には、メキシコオリンピックにおいて、「唯一の」背面跳び選手として、金メダルをゲットしたのです。

そして、今日、走り高跳びの選手は、ほぼ全員、この「背面跳び」を採用し、それまで「常識」とされてきた「ベビーロール」を使う選手は、「ゼロ」です。

また、この「背面跳び」は英語では「フォスベリー・フロップ(Fosbury Flop)」と表記されます。


【BGMに使えるピアノ曲・今週の一曲】

恋 / 松山千春 (ピアノ solo)

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