鏡のない部屋
知っているいる人は知っている、天才催眠療法家として著名なミルトン・エリクソン博士。
彼は、自分の診療所内での治療の他に、クライアントに対して「宿題」を出して、催眠を使わずに、クライアント自身がその宿題を実践することで、訳がわからないけど問題が解決してしまった、という手法も使用していたそうです。
さして、その宿題の内容は、「いかにも」といったものではなく、クライアント自身が、その宿題による行動の「意図」に全く気付かない内容である事がミソです。
「私の声はあなたとともに」(シドニー・ローゼン著)の中にこんな例が記載されていました。
ある東洋系の女性医師が、エリクソンのもとに訪れ、ハーバード大学に通っている自分の息子がひどいニキビであり、催眠で治療してもらえないか、と相談しました。
その相談に対して、エリクソン博士は、次のクリスマス休暇はどのように過ごすのか尋ねたところ、女医は仕事を休んでスキーに行く、と答えました。
それを聞いたエリクソン博士は、
- そのスキーに、息子も連れて行くこと
- 宿泊には丸木小屋を一軒借り、そこにある鏡をすべて取り外すこと
- 女医の持っている手鏡は、財布の中にしまっておく事
という、「宿題」を出しました。
その後、女医と息子はクリスマス休暇に出かけ、まったく鏡のない生活をおくりました。
当然のことですが、そのニキビに悩む息子は、鏡を見ることができません。
そして、二週間後。。。
彼のニキビは完全になくなっていました。
ニキビに限らず、顔の湿疹や吹き出物も、鏡を見なければ、しばしば直ってしまう、という事のようです。
この本の著者であるシドニー・ローゼン氏は、本に記されている、エリクソン博士の治療の内容と、その結果は、登場人物の名前等は変えてはいるが、「事実である」と記されています。
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