催眠を使ってスポーツ選手がオリンピックで金メダル獲得 (2)
実を言うと、この話のネタ元は、「私の声はあなたとともに – ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー」(シドニー・ローゼン 著)の中に出てくる話です。
内容は、最初は高校生だった砲丸投げのスポーツ選手が、最終的にはオリンピックで金メダルを取ったストーリーです。
本にも書いてあるように、実名といくつかの内容を改変してありますが、実話だそうです。
そして、その年の夏、彼は再びエリクソン博士の所を訪れ、オリンピックに出場することが決まったのでアドバイスが欲しい旨を伝えた。
それに対して、エリクソン博士は、
「砲丸投げのオリンピック記録は、大体62フィートといったところだし、君はまだ18歳の子供だ。今、金メダルを取ってしまうと、その後は自分自身との戦いになってしまう。今回は、金メダルと銀メダルは他の選手に譲って、銅メダルを取るのが丁度いいんじゃないか?」
エリクソン博士がそう言うと、彼はその通りに三位の銅メダルを取ったのです。
それから4年たち、彼は再び砲丸投げの選手としてオリンピックに出場することになり、またもやエリクソン博士に相談しました。
今度は、エリクソン博士は、
「あれから4年経ったね。もう金メダルを取ってもいいんじゃないか?」
そして、彼は、その通りに金メダルを手にしたのです。
それだけではなく、その次のオリンピックでも彼は金メダルを取りました。
彼とエリクソン博士のセッションでは、恐らく、催眠的技法が使われたと予想されますが、上記の
「あれから4年経ったね。もう金メダルを取ってもいいんじゃないか?」
の一節は、「自明の理」という暗示のやり方だそうです。
この場合、言葉の前半(「あれから4年経った」)というのは、絶対的な事実ですが、「金メダルを取る」というのは、現時点では確定していない、未来の出来事です。
この言語パターンは、NLPのスキルの1つでもあり、相手に受け入れてもらいたい内容を、「BUT」ではなく、「AND」で繋げて話、しかも、その内容は「AND」の後ろにもってくる、というものにあてはまるでしょう。
このような会話の構造を組み立てると、「YES」と言ってもらいたい内容が、意識のフィルターを素通りして、相手の無意識に直接届けることができるようです。
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