催眠を使ってスポーツ選手がオリンピックで金メダル獲得 (1)
実を言うと、この話のネタ元は、「私の声はあなたとともに」(シドニー・ローゼン 著)の中に出てくる話です。
内容は、最初は高校生だった砲丸投げのスポーツ選手が、最終的にはオリンピックで金メダルを取ったストーリーです。
本にも書いてあるように、実名といくつかの内容を改変してありますが、実話だそうです。
この実例を読むと、そのスポーツに関してはド素人であっても、スポーツ選手のコーチングは出来るのだ、という事が分かるでしょう。
例えば、プロ・テニスでグランドスラムを達成した事で有名なアンドレア・アガシ選手のコーチの一人は、全然、テニスのことは知らなかったようです。
現代催眠療法の祖であるミルトン・エリクソン博士の所に、とある高校生の砲丸投げの選手(以下「彼」)が訪れました。
彼は競技会を二週間後に控えていたいたにも関わらず、新記録達成からは程遠い成績しか出せてしませんでした。
そんな彼に、エリクソン博士は(以前の記事にも書いた)陸上競技のロジャー・バニスター選手の話をしました。
そう、「1マイル4分の壁」を破ったのは、「4分」という数字を「240秒」と解釈し、「239秒と5/10秒で走る」とリフレーミングすれば、新記録を出せるのではないかと考えた話です。
この実例を話してから、エリクソン博士は彼に、こう尋ねました。
エリクソン博士
「君はもう既に58フィートの結果を出している。では、58フィートと58フィート60分の1インチの差が分かると思うかい?」
彼
「分かりません」
エリクソン博士
「58フィートと、58フィート8分の1インチの差は?」
彼
「もちろん分かりません」
こうして、セッションを繰り返しながら、エリクソン博士は、その差を58フィートと59フィートの差まで釣り上げても、彼は、その差は認識できないと言いました。
このようにして、エリクソン博士はゆっくりと可能性を押し広げていったのです。
その2週間後、彼は競技会で国内高校新記録を打ち立てました。
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