仕事で優秀な成績をおさめる人 (1)

マーティン・セリグマン博士が開発した「ポジティブ」心理学。

セリグマン博士は、最初はうつ病の研究を行っていましたが、後に、いわゆる世間一般の人に自分の理論を応用することを始めました。
(この経緯も面白い)

その第一弾が、優秀な成績を残すサラリーマンはどういった人か?という問題です。

「オプティミストはなぜ成功するのか」(講談社刊)にも述べられていますが、アメリカにおける1980年当時、最も(精神的に)過酷な仕事は、保険の外交員だったようです。

何せ、10件電話しても9件が断られ、やっとアポが取れた相手でも、商品(保険)が売れるかどうか分かりません。

それを毎日毎日、「ノー」と言われる電話を続けるのは、そうとう精神的にタフな人じゃなければダメでしょう。

セリグマン博士は、(当時、実在した)メトロポリタン生命のトップと面談し、状況を聞きました。

そのトップが言うには、会社を辞めない人の方が珍しく、毎年5000人の保険外交員を雇ったとしても、最初の一年で半分が辞め、残った人も段々と成績が下がっていき、4年目の終わりには80%が辞めてしまうそうです。

最初に採用された5000人も新聞広告などから応募してきた6万人を対象に、試験をして(←あとで述べるようにこの試験が問題)、面接をして、研修をしてなどと、会社としても莫大なコストを掛けて集めた人材です。

その額、(当時で)7500万ドル。

まだ、アメリカ型経済が右肩上がりだったので、そんな金額が使えたのでしょう。。。

こんな状況をメトロポリタン生命のトップは、セリグマン博士にアドバイスを求めます。

セリグマン博士は、今まで得た自分の知見から、「底抜けの楽天家が保険の外交員として成功するのではないか」と提案しました。

これだけでの説明では、説明を受けた会社のトップは「??」です。

セリグマン博士は続けます。

楽天的説明スタイル(NLPのメタモデルに相当)のが力を発揮するのは、「電話の勧誘の仕方」でなく、「断られた時の反応の仕方」にある、と言います。

保険の勧誘の電話で相手に断られると、「悲観的な説明スタイル」の人は、

  • 「自分は能無しだ」
  • 「自分の勧誘では誰も保険に入ってくれる筈がない」

というような、「内的会話」を起こすのとは逆に、「楽観的な説明スタイル」の人は、

  • 「たまたま忙しい時に電話を掛けてしまったのだろう」
  • 「きっと夕食中に電話をしてしまったのだろう」

といった、(同じ現実に対して)違った解釈をするためだ、と説明しました。

(当時のメトロポリタン生命)のトップも、優秀なセールスマンの要因の1つとして、その人の楽観度が重要だと考えていて、それを理論的に解明し、解決してくれる人を探していた時に、セリグマン博士と出会った、という話の流れのようです。

このような事から、セリグマン博士は、人の「楽観度を測定」し、「才能をテストする」ことを、大学の研究室ではなく、メトロポリタン生命という現実の会社の中でスタートしました。

続く。。。


【BGMに使えるピアノ曲・今週の一曲】

蛍の光/日本の歌(原曲はスコットランド民謡) (ピアノ solo)

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