ポジティブ心理学 (4)

ポジティブ心理学のM.セリグマン博士は、その名称とは裏腹に、うつ病の研究から始まっている。

最初は、犬を使ったモデルを研究し、最終的には、人間へと研究は進んでいく。

セリグマン博士は、楽観度の程度を、テストを用いて、その点数から導き出したが、興味深いことに、うつ病の患者の度合いを、その言語パターンより類推している。

NLPのメタモデルでは、人間のコミュニケーションには必ず

  • 省略
  • 削除
  • 歪曲

が発生するとしているが、セリグマン博士の場合、うつ病の患者の言語パターンを「説明スタイル」と称し、そのパターンがどの程度、

  • 永続的か?一時的か?
  • 普遍的か?特定的か?
  • 個人的か?外的か?

に注目している。

例えば、「オプティミストはなぜ成功するか」(講談社文庫)に登場する、重度のうつ病患者であるターニャの例を取り上げている。

ターニャには、抗うつ剤の投与と認知療法の療法が実施された。

以下、本書より引用

ターニャは自分がいやになっていた。

いつも子供達にどなって、決して謝らないから
(永続的、かなり普遍的、個人的)

ターニャは趣味を持っていなかった。

私は何をしたもだめだから
(永続的、普遍的、個人的)

ターニャは抗うつ剤を飲み忘れた。

「私には無理よ。私にはそんな意志力はないの
(永続的、普遍的、個人的)

ターニャの説明は一様に悲観的であった。

なんであれ、悪いことはずっと続き、すべてをだめにし、そして、それは、自分が悪いからだ。

(引用終わり)

その後、12週間にわたり、治療が行われた結果、うつ病はすっかり治ってしまったようです。

それ以降の、ターニャの言語パターンは、すっかり変わったようです。

主人が機嫌が悪くなって教会へいこうとしなかったから、私は一人で行かなければならなかったの」
(一時的、特定、外的)

子供達が学校へ行く服が必要だから、私はボロを着て走り回っているの」
(かなり一時的、特定、外的)

「主人は私の貯金を全部おろして、自分のために使ってしまったの。もし、銃を持っていたら、撃ってやったんだけど」
(一時的、特定、外的)

(引用終わり)

このように、ポジティブ心理学とNLPと比較してみると(分野はかなり異なりますが)、クライアントの無意識の変化は、クライアントの使う言語パターンに現れてくる、という事例を、2つの異なる心理学が証明しているのは、興味深い事だと思います。

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