ポジティブ心理学 (3)
ポジティブ心理学の第一人者でも著名である、タル・ベン・シャハー博士(ハーバード大学)はその著書の中でとある逸話を紹介しています。
その逸話とは。。。
エレン・ランガー教授は、学生達に偉業を成し遂げた科学者達の知性を評価するように求めた。
ただし、ここで、学生達を2つのグループに分け、第一のグループは、これらの科学者達がどのように成功したかという、達成までのプロセスの情報を与えなかった。
すると、このグループの学生は、科学者達の知性をきわめて高く評価し、彼らの業績は、自分達の力では達成不可能であると考えたのです。
さて、もう1つのグループに対しては、第一のグループと同じ科学者について、その偉業について説明を受けましたが、さらに加えて、彼らが成功に至るまでに経験した試行錯誤の過程にかんする情報も伝えられました。
結果としては、このグループの学生達も、第一のグループ同様、科学者達の知性を高く評価しましたが、このグループが第一のグループと異なっていたのは、その科学者達の偉業は、自分達にも達成可能である、と考えたところです。
(「最善主義が道を拓く」より引用)
著者は、このように、「科学者が遺した偉大な成果」という「結果」しか見ない場合と、「その結果に至った過程」という視点を加えることで、その「結果に対する評価」がことなってくる、としています。
また、私個人として面白く感じたのは、全体としてこの本自体はあまり面白いとは思わなかったのですが、今回の例のように、著者が述べたい内容をただ単に著者の言葉で述べるよりも、著者以外の事例を「メタファー」として述べることにより、説得性が増すというか、心に残りやすい、と感じ入った次第です。
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