マリリンに聞け
「モンティ・ホール問題」
アメリカの日曜ニュース雑誌「パレード」の新聞コラムであった「マリリンに聞け」は、結構な人気を博していたようです。
これは単なるコラムといった内容ではなく、いろいろな日常的な疑問についてのQ&A形式を取っていました。
そして、この「マリリン」とは、(女優のマリリン・モンローではなく、)過去において、「ギネス世界記録」に世界最高のIQ(228)の持ち主として記録されている、”マリリン・ヴォス・サヴァント”という、実在した女性です。
そして、彼女の名前を一躍有名にしたのが、モンティ・ホールという名の司会者が出演していたTV番組、「レッツ・メイク・ア・ディール」のとある名物コーナーでした。
恐らく、その日まで、TV番組制作者サイドもこれほど世間、あるいは科学社会を騒然とさせるとは予想もしなかったでしょう。
その問題とは、つまるところ、「確率」の問題なのですが、何も知らずに考えると、私達の脳はあまりアテにはならない、といった現実を明らかにしたようです。
その、司会者の名前を借りた「モンティ・ホール問題」とは。。。
この番組の中では、ある視聴者参加型のあるゲームが行われていました。
挑戦者の目の前に3つのドアがあり、1つのドアの向こうには、アタリの豪華な車があります。
そして、残りの2つのドアの向こうには、ハズレである山羊がいるとします。
まず、最初に挑戦者(当然、3つのドアのどれがアタリなのかは分からない)は、これはと思うドアを選択します。
この挑戦者の選択の後に、(どれがアタリなのか知っている)司会者(モンティ・ホール)が、残りの2つのドアのうち、ハズレのドアを開けて、挑戦者に確認します。
「さて、あなたは、開いていない、もう1つのドアに変更しますか?」
さて、挑戦者は自分が最初に選んだドアから変更した方が得策かどうか?
もう完全に、これは数学の話になってしまい、頭が痛くなってしまうかもしれませんが、マリリンの答えは
「挑戦者はドアを変更する方が有利です。なぜなら、ドアを変更することにより、アタリのドアを当てる確率が2倍になるからです。」
と答えました。
ところが、この答えが、ある意味非常に注目され、全米のブーイングを引き起こし、多数の抗議の投書が送られてきました。
そして、その抗議の投書の中には、1000人近い博士号を持つ研究者も含まれていました。
さらには、米国陸軍研究所の一人は、「もし、その博士達が間違っていたら、この国は深刻なトラブルに陥る」と言わしめた程、物議をかもしだしたのです。
私達も、何とはなしに考えると、「そんな筈はない。ドアの選択を変えても確率は変わらない。」と直感的には感じますが。。。
一見すると、単純な確率の問題に思えますが、実際は難解な問題だったようです。
結論としては、その後の検証により、マリリンの答えが正しかったことが証明されたのです。
検証を行った研究者の中には、実際にコンピュータをガラガラと動かして、シミュレーションを行った人もいるみたいです。
詳しくは、数学の話になってしまうので、詳細はネットで調べて頂くとして、私達の論理的な思考回路はあまりアテにはならない、という科学史上の一例です。
この問題は結構有名らしく、ネットで検索すると多数の説明がヒットします。
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