「うつ病」には運動を

私の場合、普段は滅多に書籍は買わないのですが、表題を見て興味が持ち、久方ぶりに本を購入。

 「脳を鍛えるには運動しかない」
  ジョン・J・レイティ NHK出版

実際に読んでみると、題名から類推されるように、「運動=万能薬」という内容ではなく、「運動」というものに対して、健康・疾病に対する影響をイロイロな実例を含めて紹介しています。

因みに、著者はハーバード大学医学部臨床精神医学の准教授です。

例えば、本書の最初の部分には、

 「運動をすると頭が良くなる」

といった事柄について既述されています。

上記の表現だけですと、何か胡散臭い感じですが、実際に、著者が実施したトレーニングの経緯と結果をみると、ナルホドと思う内容です。

さて、結構ページ数のある本書の一部に興味ある記述がありました。

事は1970年代の話のようですが、大学卒業後、マサセチューセッツ精神衛生センターで勤務した時の話のようです。

以下、引用

ちょうどその頃、ノルウェイのある病院に関する記事を目にした。

その病院では、うつ病の患者の治療方法として、抗うつ剤か毎日の運動か、どちらかを選ばせている、というのだ

わたしは愕然とした。

当時、抗うつ剤が臨床に導入されたばかりで、その目覚しい効果が、治療についての私達の認識を根本から変えていたところだった。

だが、ノルウェイでは、病院が率先して、深刻なうつ病の患者に運動をさせていて、しかも効果が出ているというのだ。

とはいえ、その効果は曖昧なものだった。

脳の奥底への探求が始まったばかりのその時代に必要とされていたのは、ハードサイエンスの手法だったのだ。

勘違いしないでほしいのは、これは、最近の話ではなく、今から40年前の話です。

その頃のヨーロッパでは、薬に頼らないうつ病の治療が確立されていたようです。

今でも、病院へ行くと、「食べる程」の量の薬を処方される、日本の医療体制とは大きく異なります。

日本の医学会は、保守的で、いろいろ代替医療が研究されている欧米諸国と比較すると、かなり遅れていると考えてもよいかもしれません。

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