自己効力感
「自己効力感」とは、カナダ人の心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念です。
彼は、カナダ人心理学者ですが、最終的には、アメリカ心理学会長も務めました。
この「自己効力感」とは、外的事象に対し、自分が何らかの働きかけをすることが可能であるという感覚、目標に到達するための能力を、自分は有しているという感覚です。
簡単に言えば、「自分は出来る!!、やれば出来るんだ!!」という言葉が当てはまるでしょうか?
単なる、「自尊心」とか「自己価値感」というニュアンスとは違います。
さらに、この「自己効力感」は、さらに、結果予期と効力予期の2つに区分されます。
結果予期とは、自分の行為、行動がどのような結果を生み出すのかという予期観測。
効力予期は、この結果、成果を生み出すために必要な行動を、どの程度効果的に行うことが出来るかという予期観測。
この「自己効力感」は、バンデューラ博士の「社会的認知理論」の中心となっています。
「自己効力感」を生み出す代表的なものを、3つを挙げると、
- 達成体験
自分のコントロールで達成できた成功体験。
- 代理経験
他人の成功を見て、感じて、自分も同じことができるんじゃないかと思う体験。
- 社会的説得
周囲や信頼している人から「君ならできる」と励ましてもらうことなど。
ちなみに、飲酒や薬物などでも「自己効力感」を生み出すことができます。
お酒を飲むと「大トラ」になんてのもこれに当たるでしょう。。
この「自己効力感」を持つことで、自分自身を律する、制御する力を認識したり、第三者にプラスの影響力を持ったり、良好な人間関係を構築し、たゆまぬ向上心を持ち、向学心にあふれる人となっていきます。
もう少し日常生活に即して書いてみると、バンデューラ氏は、人がある行動を起こそうとする時、その行動を自分がどの程度うまく行えそうか、という予測の程度によって、その後の行動の生起は左右される。つまり、「自分にはここまでできる」という思いが行動を引き起こすのであり、その思いのことを“自己効力感”と呼んだ訳です。
そして、人がある課題を与えられた時に、自己効力感の高い人は「よし、やってみよう」と思うことができ、その後の行動につながりますが、一方では、自己効力感の低い人は「その課題は自分にはできないかもしれない」と尻込みする傾向があり、その後の行動にはつながらないこととなります。
行動を起こすためには、自己効力感という入り口を通過しなくてはならないと言えるでしょう。
部下育成や子育てに従事されている方は、部下や子供に、成功体験を積ませるために、小さなことでも構わないので、何かを成し遂げた時には、言語を通して認めて、励ますことが鍵となります。
そして、そのことを繰り返すことにより、本人の「自己効力感」を大きくしていくのです。
[title01]
[title02]
[body]
[channel]