NLPコーチング:パワフルな質問の方法 (9)

クライアントの無意識の制限を見つける (6)

抽象名詞

NLPのスキルを身につけたセラピストやコーチは、クライアントの会話の中で、クライアントが抽象名詞を多用していないか留意します。

抽象名詞は、人のコミュニケーションの中では重要な要素で、これなしでは人間同士の会話は成り立ちませんが、セラピーやコーチングでは逆に出来る限り使わないようにします。

抽象名詞の例としては、「ストレス」「関係」「失敗」「落ち込み」などがこれにあたるでしょう。

抽象名詞の問題点は、詳細が省略・削除され、動きを感じられないと同時に、人により解釈が異なることにあります。

また、コーチング時においては、クライアントの体験に何の変化もないことを示しています。

例えば、

  • 「自然を大切にしましょう」というフレーズを聴いてどんな感じがするでしょうか?

    大概の人は、「フ~ン」と耳を素通りするか、もう少しマシな人でも「確かに自然を大切にすることは大事だ」と納得はするものの、具体的にどうしたらいいのか「???」ではないかと思います。

  • 「ハイキングに出かけたら、ゴミ持ち帰りましょう」はどうでしょうか?

    このような表現を使うと、上の例よりもやる気が出ると同時に、具体的な行動に移しやすいのではないかと思います。

「私は、職場においてのコミュニケーションにとてもストレスと不信感を感じます。」

このフレーズを読んでみると、一体何個の抽象名詞が使われているでしょうか?

また、意識しないでこのフレーズを聴くと、なんとなく言っている意味が分かってしまう気がしますが、よ~く意識して考えてみると、クライアントが何を言いたいのかサッパリ分からないと思いませんか?

例えば、

  • コミュニケーションの相手は上司なのか?、職場の同僚なのか?
  • クライアントにとって、ストレスとは、具体的にはどのような事象なのか?
  • 不信感とは具体的には、どういった内容なのか?

これらの事をセラピスト・コーチはメタモデルの質問によって、情報を収集すると同時に、クライアントの一次的な体験を再構築していきます。

これまた、よく聞く台詞として、

「私は家族を大切にしていますし、これからも大切にしていきたいと思います。」

これを聞いた人は、大概の場合、納得をしていまいますが、これを言っている本人が、毎日夜遅くまで残業、休みの日は寝てるだけ、というケースも多いんじゃないでしょうか?

特に、否定的な抽象名詞の場合の多くは、クライアントの制限を加える信念を含んでいるので、セラピスト・コーチは注意深く聴き、具体的な「行動」に言い直すように指示する必要もあるでしょう。

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