占いはどうして当たるのか?

「バーナム効果」

さて、ここで、質問です。

まずは、以下の文章を読んでください。
そして、文章中に書かれた特質の中で、自分に当てはまると思われるのはどれくらいでしょうか?
0(全くない)~5(多数ある)の点数で評価してみて下さい。

あなたは、他人から評価され尊敬してもらいたいと思っている一方で、自分としては、自分に対して手厳しいと考えているかもしれない。

性格は、いくつか弱い点があるかもしれないが、ほとんどの場合、それをカバー出来ると思っている。

自分には才能がある、と考えている分野があるが、その才能を十分に発揮できていないと感じている。

あなたの見た目はしっかりとした印象を与えるかもしれないが、実際は、細かいことに悩んだり、優柔不断だったりする。

間違った行動をしたり、会話をしたりするのではないかと思って、強気に出ることが出来ない時もある。

日常生活の中では、決断力が少々足りなくても構わないと考えているが、変化は必要だと考えていて、束縛や制限は不自由なものである。

自主的な考えの持ち主であることを誇りに感じ、他人の意見に十分な根拠がないと受け入れ難い。

今までの人生の中で、自分について赤裸々に他人に対してさらけ出す事は得策でないと実感したことがある。

性格は、どちらかといえば外交的・社会的で人当たりがよいが、控えめで、大人しく、見方によっては、冷たい感じがする時もある。

あなたの夢や目標の中のいくつかは、非現実的であると考えている。

自分でつけた評価は何点でしょうか?

おそらく、平均点(2.5点)以上になにるんじゃないかと思います。

これは、「ファラオー効果」とも呼ばれる、「バーナム効果」のためです。

また、NLPを知っているのなら、上記の文章がミルトンモデル的な叙述であることに気がつくかもしれません。

上記の文章は、一見、「あなた」という特定個人の性格を表していると受け取れますが、実際には、一般的で漠然としたもので、全く違ったタイプの人にもスンナリ当てはまってしまいます。

エリクソン催眠の場合は、上記のような会話の中に、クライアントに対する暗示を埋め込むことにより、心理的治療を行う場合があります。

「バーナム」というのは、19世紀に大きなサーカス団を率いていた、フィニアス・テイラー・バーナムという人の名前に由来しており、「ファラオー」は、このような事象を実験的に確認した、アメリカの心理学者である、バートラム・ファラオーに由来しています。

「バーナム効果」

誰にでも当てはまることがありそうな曖昧で一般的な性格などの記述を、自分だけに当てはまるものとして錯誤していまうこと。

アメリカのサーカス興行師バーナムが、「自分のサーカスの成功は、すべて人に何かを与えていることによるものだ」と話したことに由来する。

様々な占いや性格診断がよく当たると感じられるのは、この効果による。

日本では、かつて「血液型性格診断」なるもののブームが何度も起きている。

自分に都合のよい部分だけが記憶に残り、「良く当たっている」と思い込んだり、「あの人はB型だから。。。」といった視点で他人を判断していまう。

これは、「脳は出来事にラベル付けをして記憶する」といった事にも関係しているでしょう。

さらに厄介なのは、人が、そのような占いが当たっていると信じてしまうと、実際には他にも行動の選択肢があるにも関わらず、その占いの通りの行動を選択してしまう場合があります。
(「自己成就予言」)

例えば、血液型占いで、自分がA型人間だと信じると、そこに書いてあるような立ち居振る舞いを実際にしてしまう、というような事です。

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