脳は感情的にインパクトのある事象を過大視する
さて、ここであなたに1つの質問があります。
あなたが、小さな女の子の親だとして、以下の問いを考えてください。
自分の娘が、友達の家に遊びに行くと言っています。
そして、その友達の家には
・友達の父親がピストルを一丁、家に所持している。
・友達の家の庭にはプールがある
これを聞いた時、どちらの方が安心していられますか?
多分、以下の文章で、あなたの思い込みは裏切られるでしょう。
とある、アメリカにおける調査によると、アメリカでは600万の家庭がプールを持ち、銃の方は2億丁あるが、10歳以下の子供のうち、毎年、約550人が溺死している。
一方、同じ年代の子供のうち、銃弾で命を落とすのは、約175人である。
このような例を考えると、私達の脳の性質の一端が明白になります。
脳は、イメージが働くために、実際の統計が示す結果とは異なり、直接、恐怖と関係する事象を過大視してしまう。
実際、ピストルとプールを比べれば、どちらが恐怖という感情を呼び起こすかは、誰でも一致するところでしょう。
このような脳の性質を、一般化すると、ヒューリスティクスの要因の1つである「利用可能性
(availability)」と呼ばれ、ある事象が起きる確立や頻度を考える際に、最近の事例や、かつての顕著な事例など、「思い浮かびやすい」事例を過大視して、判断や評価の基準にしてしまう事を指します。
特に、人間の脳は感情に左右されるため、マスコミなどでセンセーショナルな報道をされたニュースなどの事例を、実際の確率や頻度の面では微々たる事象であっても、重大なことと考えてしまいます。
これは、意識しないでいると、ついハマッてしまう、脳のトラップなどで、何か理性的な判断をしようとした場合には、注意をする必要があるでしょう。
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