コンコルドの錯誤 (3)
今まで出した質問は架空のものであったが、この種のトリックにはまって壊滅的な被害を出した現実社会で起こったのが、「コンコルド計画」です。
フランスとイギリスによる、このプロジェクトは数々の障害が重なって、遅々として進まず、かなり早い時期から失敗が予測されたのに、計画を断念することはありませんでした。
しかし、コンコルド機は何度も不祥事を重ね、最後には、パリで2000年の7月に100人を超える犠牲者を出したことから、2003年にコンコルドグループという巨大組織は、解体をせざるを得なかった。
この例を起源に、「コンコルドの錯誤」という言葉が生まれた。
開発時から開発が終わっても採算が取れないのが分かっていたにも関わらず、それまで投資をした金額が膨大だったために、そのまま開発が進められ、商用後、さらに、開発時の予想通り、赤字が膨らんでいった。
このように、過去の投資が、将来の事業の成否を無視して、これからの投資を左右してしまうことをいう。
「今まで使った金が無駄になる」という損失を回避しようとする、人間の心理はだれにでもあるものですが、「済んだことは済んだこと」として冷静に処理するのが一番適切な選択肢でしょう
なお、事業に投下した資金のうち、撤退・縮小しても回収できないコストをサンク・コスト(sunk
cost)ということから、同じ意味で「サンク・コスト(効果)の過大視 overstimate of sunkcost」とも言います。
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