コンコルドの錯誤 (2)
ここに2つの質問があります。
この質問は心理学者のハル・アークスとキャサリン・ブリューマーの理論が生まれるもととなった実験だそうです。
質問1
ある飛行機会社の社長が、従来のレーダーでは捕捉できない程のスピードで飛行する飛行機を作ろうと、開発に1000ユーロを注ぎ込んだ。
ところが、そのプロジェクトがすでに目標の90%まで達したところ、スピード・経済性などで優れた同種の飛行機を他社がすでに市場に出したというニュースが飛び込んできた。
ここで次の選択をしてください。
あなたが、この飛行機会社の社長だとして、巨費を投じたこのプロジェクトを完遂するために、残りの10%を投資しますか?
質問2
すでに使ってしまったお金は脇において置いて、ライバル会社の飛行機と比較して明らかに劣る飛行機を仕上げるために、あと100万ユーロの追加投資を決断しますか?
上記2つの質問は、意味している内容は同じであるが、実験の結果、質問1に対しては85%の人が「イエス」と答えた。
一方、質問2に対しては、「イエス」と答えた人は17%にまで落ちたそうです。
この違いは何故生じたのだろうか?
この場合、人は既に投資したお金が単なる「散財」となったことに対する「無念」が断ち切れなかった、消え去ったお金に対するトラップにはまってしまったと言えるかもしれない。
こういった現象は、私たちの日常のいたるところに見られます。
「時間、情熱、エネルギー、お金、気持ちなどを・・・、こんなに注いできたのに、いまさらやめるなんて」と考えると、破滅を招く罠に容易に落ちてしまうでしょう。
「1ドルを手に入れるために、その3倍以上のお金を払わなければならないはめ」になってしまうかもしれません。
。。。続く
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