ランチョン・テクニック
心理学者のグレゴリー・ラズランが研究し、明らかにしたものにランチョン・テクニックというものがあります。
(ランチョン→ランチ・昼食の意)
要は「人は、食事中に関わりのあった人や物を好きになる」というものです。
これは、ランチなどの飲食をしながら相手とコミュニケーションを行うと、おいしい食事や楽しい時間が話しの内容にポジティブに結びつくというものです。
簡単にいうと、食事中に聞いた話しや、その時にいた人のことを好きになるようです。
政治や経済の世界でも、この代表的なテクニックが使われることが多いのは、その効果が十分に認識されているからではないかと考えられます。
料理や雰囲気を楽しみたいという思いから食事中は対立を避けようとするため、要望や交渉事が受け入れられる確率が上がる可能性も考えられるでしょう。
おいしいものを食べると、心地よい感情「快楽」が生まれます。
そして、食事中に聞いた話は、「快楽」と結びつきます。
(「リンクする」ともいう)
興味深いのは、被験者は、食事中に、どの政治的意見が提示されたか思い出せなかった、ということです。
では、この食事中に、人間の脳で何が起こっているのでしょうか?
説によると、食事をすると、とある脳内化学物質が分泌されています。この物質は、相手や事柄を否定、攻撃しないものです。
この快適物質は、「夢心地」状態をつくり出し、よほどのインパクトがない限り「あまり事細かにおぼえていない」ということも起きてきます。
それよりも、「食事を共にした」という記憶が、親近感をつくります。
要望や交渉事は、ランチョン・ミーティングを活用すると良いですね。
対立を避け、受け入れられる確率が高まります。
そして、これで思い出したのは、新聞の記事にもなった、アメリカ合衆国のオバ
マ大統領と、ロシアのメドベージェフ大統領の昼食の新聞記事です。
記事中の写真を見ると、狭苦しいテーブルの上には大きなペーパータオル、ペットボトルそのままの調味料と、いかにもアメリカの街中のハンバーガー店といった感じです。
詳しい内容は記事に譲るとして、その日、その時間に偶然目にしたお客は、ビックリしたでしょうネ~。
「オイ、あそこでハンバーガー食っているのは、大統領じゃないのか?」
マァ、店内はSPばっかりだったでしょうけど。。。
そして、そんな店に行ったことのないロシアの大統領の言葉は
「とても興味深い、典型的な米国の昼食だった。あまりヘルシーではないかもしれないが、おいしかった」
と笑顔で応じたそうです。
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