NLP:言葉の持つパワー (2)
前回、普段何気なく会話で使っている、言葉の「パワー」についてお話しましたが、今回も、引き続き、これに関するトピックです。
また、NLPでは、クライアントの言葉使い、あるいは、言葉の使い方により相手に絶大な影響を与えるとしています。
さて、最初の例です。
これは、日常、(特に会社での上司と部下との会話で)使われることが多いと思われる、会話のパターンだと思いますが、
例1
ちょっと、会議室に来てくれないかな?。どうしても「君に」話したいことがあるんだ。
例2
ちょっと、会議室に来てくれないかな?。どうしても「君と」話したいことがあるんだ。
どうでしょうか?
文字とすれば、たった一文字、「に」と「と」の違いですが、例1の場合、部下は、「何かヘマをやったのか?あるいは、リストラの話か?」と不安な気持ちを抱くかもしれません。
したがって、会話の内容が何であろうと、部下は最初は、防御的な態度・言動をとることが予想されます。
例2の場合ですと、多分、「一体、何の話だろう」といった程度の印象じゃないかと思います。
次の例です。
会社の業務の関係で、社外の人の依頼に対する返事で、
例1
今日は、「うちの」スタッフがご依頼の件に対して対応できず、ご迷惑をお掛けしました。
例2
今日は、「担当の」スタッフがご依頼の件に対して対応できず、ご迷惑をお掛けしました。
例1の場合、対応した人は、グループの一員であり、責任の一端は自分も負っている、という印象を持ちますが、例2の場合、自分は、属しているグループとは無関係で、場合によれば、その問題とは関わりたくない、という心情を心の深層部に持っているかもしれず、それが、「言葉」として無意識に使ってしまった可能性も考えられます。
次の例です。
これは、私個人としては、気に入っている例ですが、例えば、会社に出入りしている、OA機器のセールスマンに、
自分:
「以前話した、機器のことだけど、会社の許可がおりたので、今度の金曜日まで
に取り付けてくれないかな?」
セールスマン
「やってみます」
この場合、果たして、納期までに機器は取り付けられるでしょうか?
多分、無理でしょう。
「了解しました」等の断定的な言い方ではなく、「~してみる」という表現は、やる前から、疑っている姿勢が見てとれます。
あるいは、日常の会話でよく使われている、
「考えてみます」
という言葉。
これは、「その商品は買わない」「それは、やらない」という事と同義であることは、自分が使った経験があれば、腑に落ちるのではないでしょうか?
私はそこまでの技量はないのですが、この例のように、相手の言葉の使い方を注意深く吟味することにより、相手が心の中で本当は何を考えているのか、分かるようです。
最後に、これは本当かどうか不明なのですが、面白かった言葉の使い方として、メモしておいたものです。
(出典はメモし忘れてしまいましたが。。。)
言葉の中には、無意識のうちに、自覚症状としては感じていない体の異常に関する言葉が、会話の中に出てくるケースがある、という事のようです。
- まったく骨の折れる仕事だったが、これでやっと休みが取れる。所謂「骨休み」ってやつだ。
- 体中が○○に蝕まれているいるみたいだ。
- もういい、まったく反吐が出そうだ。
- あのおかげで、胸をかきむしりたいくらいだ。
最初の例の場合、休暇中、(例えばスキーなどで)実際に骨折してしまうかもしれません。(自己成就的予言)
その他の例では「臓器言語」と言われるようで、実際に、その体の部位に異常が認められることがあるようです。
心理学のある分野では、この「言葉」や「質問」に関する研究が進み、これらが人の行動や結果に及ぼす影響を理解できるようになりました。
世間の一部で言われているように、否定的な言葉は、力を失わせ、行動の選択の幅を狭くさせる一方、肯定的な言葉は、無意識的に人にパワーを与え、可能性の幅を広げる、といつたところでしょう。
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