現在も進行中の日本における “コンコルド効果” ?

経済心理学の概念に、

「コンコルド効果」

と呼ばれる心理学用語があり、その名称は “サンク・コスト効果” とか “コンコルドの誤謬” などいろいろな名称で呼ばれていますが、要は企業における製品開発において、莫大なコストを掛けたのにも関わらず、思うような結果が得られないのですが、その開発を止められない状態が続き、ますます開発コストが膨らむ、といった内容です。

その由来は、今は昔になってしまった1900年代、イギリスとフランスが共同して、通常の旅客機の飛行高度の2倍もの高度を、マッハ2.0で飛行する、通称 “コンコルド” と名付けた三角翼の超音速旅客機の開発に着手しました。

ところが、試作品は完成したものの、実際に飛ばしてみると想定外の環境問題や、オイルショックなどの外部的要因により、実機の開発は遅れに遅れ、それに比例して開発費も莫大なものに膨れ上がります。

結局、当初は4千億円の開発費が、最終的には数兆円にまで及び、

「たとえ、実機が就航したとしても投資額は回収不可能」

という事で、イギリス・フランス共同で設立した開発会社は倒産に至ることになり、数兆円ものお金はパーになってしまう結果となります。

実際に、倒産したのは2003年のようですが、それと全く同じ現象が、日本で起きていると考えてもいいニュースがあります。

そう、三菱航空機による “国産初のジェット旅客機MRJ” です。

構想・計画自体は2007年以前より進められていたようですが、それから丁度十年経過した後も、未だに実機は完成して航空会社への納入は行われていません。

三菱航空は当初は13年の初号機引き渡しを目指していたようですが、現状は時々ニュースで発表されるように、未だに試作機開発の段階で、とうとう海外からの受注のキャンセルまで生じてしまったようです。

三菱航空はMRJの新たな契約確保のため2月に開催されるシンガポール航空ショーにも出展予定でしたが、結局、見送りとなった模様です。

MRJの開発は実機の納期を今までに5度延期した上に、開発コストは当初の3倍の5千億円に達している模様で、開発費用を回収するには、(現時点で)400機以上を売り捌く必要があるようです。

ニュース発表を見た限りでは完成の目途についての言及はなく、こうしている間にも、従業員への給料の支払い等、何ら利益を生み出せない間にもジリジリと固定費だけは確実に消耗していくのが新製品開発の怖いところで、三菱のような体力のある企業でなければ手が出させない分野かもしれません。

あと一つ、今回のMRJ開発にあたっての人間心理の働きが見え隠れしているようにも考えられます。

それは、フランスの発見者の名前にちなんで名付けられた、

「リンゲルマン効果」

です。

別称としては、

「社会的手抜き」

とも呼ばれていますが、人間が集団として何か作業を行う際、その集団の個々の人間のパフォーマンスを “1” とすると、集団全体のパフォーマンスは、

1+1=2

にはならずに、

“2未満” となり、そのパフォーマンスは集団を構成する人間の数が増えれば増えるほど落ちていく、というものです。

リンゲルマンがこの集団心理の効果を発見した時は、単純な “綱引き” の測定から見い出し、今回のMRJの事例と安易に比較できませんが、何やら似ている部分もあるのでは?とも考えられます。

集団で物事を進める際に、

「自分くらい多少手を抜いても、大勢には影響ないだろう。。。」

と考えるのが、自分一人だけではなく、参加者全員であったという笑うに笑えない話です。

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