脳はつくつになっても学習し発達し続ける

人前でのスピーチやプレゼンテーションの参考としても有名な “TED”。

様々な分野の人が最新の研究成果を発表しますが、今回は脳科学分野での話です。

演者は Lara Boyd。
ブリティシュ・コロンビア大学の脳研究家。

原題は、

“After watching this, your brain will not be the same”

文章として書き起こすのが苦手なので、以下は個人的に気に入った点を箇条書きにして纏めてみました。

過去には当然だと考えられていた脳に関する話は今では書き換えられつつある。

例えば、

  • 脳の発達は小児期までであり、その年齢を過ぎた脳はそれ以降、発達はせず変化はしない。
  • 能が常に活動し続ける部分は脳の一部だけであり、その他の領域は休止状態にある。

最新の知見では、脳は本人が何もしない時や何も考えていない時でも活発に活動をしているのがMRIなどの最新の測定機器を用いた観察により判明している。

新しい脳に関する知見としては、”脳は可塑性を有している” という事で、新しいスキルを学んだり学習したりする “本人の行動” により脳は変化をする事に加え、それは年齢的な制限を受けない。

脳の可塑性については三つの重要なポイントが存在する

  • 脳内の化学物質の変化

    脳の情報伝達は神経細胞とニューロンの化学物質のやりとりで実現されており、その情報伝達物質の増加により “短期記憶” が形成される
  • 脳の構造的変化

    単なる情報伝達物質の増加だけでなく、ニューロン間の繋がり(情報ネットワークの構造)が変化。ただし、少し時間が掛かるが、この変化は “長期記憶” に重要である。

    情報伝達物質の増加による “短期記憶” は “学習” とは言えない。

    特殊な行動と学習により、脳の特異的な部分の構造変化が認められる例がある。

    • 点字を読む人の手指の感覚領域は、点字を読まない人と比較して大きくなっている
    • 右利きの人は脳の左半球の運動野が反対側の脳半球よりも大きいくなっている
    • ロンドンの市内は複雑な道である事で有名であるが、そのロンドンのタクシー運転手は空間及び二次元の構造を理解する脳の部分が発達している
  • 機能的な変化

    • ある脳の領域が興奮すると、その領域はその後の刺激に対しより興奮しやすくなり、脳自身がその刺激を受けやすいように構造自体を変化させる
    • 何か新しい学習に関して、少し上手く出来るようになると、その後はますます上手く出来るようになる

以上のような事が分かっているのに、何故、人は上手くスムースに学習することが出来ないのか?

  • 演者はどうやら脳卒中患者を対象にして研究を行っているらしく、以降は脳卒中患者で得られた知見を述べている。
  • アメリカにおける脳卒中の死亡率はやや下がったものの、それはあくまでも死亡率が下がった為であり、脳卒中のダメージから回復する例が増えた訳ではない。
  • 演者の意見としては、脳卒中患者の効果的なリハビリテーションの手法はそれほど発達していないとの事。
  • 一番の課題は、”本人の行動” の問題で、行動と練習の量に掛かっているが、”脳の可塑性” がいくらあったとしても、そこには膨大な練習量と時間が必要となり、現実的な問題として脳卒中患者の回復に立ちはだかっている。
  • もう一つの問題として、リハビリによる回復は個人での差が大きく、練習量と時間について一般化できないのが現状。

脳の変化を起こすのは、”本人の行動” しかなく、”自分でやるしかない”。

  • 万人に効果的な誰がやっても上手くいくような万能的な学習のアプローチ法は存在しない。
  • 個人差が大きいという事は、ガンの治療にも認められ、治療における薬剤の選択は個人の遺伝学的な体質に影響される。
  • 脳の持つ複雑性と個人差を考えると、子供の教育に於いても、従来型の集団を対象にした画一的な方法が適している子供もいれば、そうでない子供もいる。

「学習とは脳に必要な行動を実行すること」

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