EMDRセラピーの具体的な手順・やり方 (2)

前回のエントリーとは別のソースですが、EMDRセラピーについての具体的な流れがあったので紹介しておきます。

ネタ元は「EMDR Network

「EMDRによる治療の8段階」

EMDRによるセラピーに要する時間は決まったものはなく、クライアントの過去の体験によって様々である。

EMDRの治療の完了には以下の3つのテーマに関する個別のプロトコールが含まれている。

  • クライアントの過去の歴史
  • クライアントが今悩んでいる問題
  • クライアントにとって望ましい未来

EMDRセラピーの究極的な目標は、クライアントが問題と感じている記憶を「再構築」して、健全な記憶に置き換え、脳の記憶領域に格納することである。

すなわち、クライアントの経験の肯定的意図を見い出し、適切な感情とともに、将来に渡りポジティブな選択をできるようにする。

  • フェーズ1:クライアントの経歴の確認と治療計画

    最初の1,2回のセッション、あるいは、セラピーの過程において新たな問題が生じた場合、詳細なクライアントの経歴と今後のセラピーの内容について確認を行う。

    この際、クライアントが何故セラピーを受けるに至ったか、あるいは、その行動や症状についてセラピストと共に議論をする。

    この議論を通じて、セラピストは具体的に何をEMDRのターゲットにするか決める。
  • フェーズ2:実際のセラピー

    一般的なEMDRのセラピーは1~4程度のセッションで完治するが、症状が複雑な場合などは当然、より長時間のセラピーが必要である。

    基本的にセラピストはクライアントにEMDRの手技について予め教えておき、次の段階へと進む。

    ここでの目的の一つは、セラピストとクライアントの信頼関係を確立することである。

    クライアントがセラピストを信頼しないと、セラピーの最中に行われる眼球運動の際に感じるクライアント自身の感情や感じた事柄について正確にセラピストに伝えないかもしれない。

    セラピストは「治療する者」というよりも、クライアントと共に、同じゴールを目指すファシリエイターあるいはガイドといった立場を演じるのが好ましい。

    クライアントの方は、眼球運動の間は、問題となる自分の感情・経験と向き合うことになるので、眼球運動を終了した後は、セラピストはクライアントに対して、気分を落ち着かせる様々な処置を行う。
    (例えば、深呼吸など)
  • フェーズ3:効果の確認

    一通りの眼球運動が終了した後、どの程度変化が出たのか確認をする。

    例えば、自分に対して否定的な価値観を持っている人は、以下のような言葉を口にするかもしれない。

    • 私のことは誰も助けてくれない
    • 自分は価値のない人間だ
    • 自分は誰にも愛されない
    • 自分はみっともない人間だ

    次に、クライアントが「そうありたい」と望む肯定的な自己認識について話してもらう。

    そして、これらの肯定的な自己認識について、どの程度クライアント自身が「真実」だと感じているか、1~7の数字でランク付けしてもらう。

    ここで注意するのは、あくまでも「感情」を優先すること。

    「考え・思考」を基にして判断したはならない。

    記憶の再構成

    一つのトラウマであれば、一般的には3回以内のセッションで完治する。

    もし、それ以上の時間が掛かりそうであれば、セッション時間を伸ばすのも一法である

    フェーズ1~3にかけては、汎用的で、セラピーの対象が1つの場合である内容であるが、眼球運動(あるいは、タッピングや音)は複雑なセラピーの流れの中での1つの要素に過ぎないので、各8つのステップ丁寧に繰り返すことにより、セラピーの効果を高めることが出来る。

  • フェーズ4:記憶の再構成

    ここでは上記フェーズ3でクライアントにより示された望ましくない感情・行為を扱う。

    セラピストはクライアントに対して、問題となった出来事そのものと、それに似たような出来事の両方を思い出してもらう。

    例えば、眼球運動開始後に原因となった非常に恐ろしい体験をクライアントが思い出したら、その出来事に関連した別の出来事を思い出してもらう、等である。
  • フェーズ5:新しい価値観のインストール

    ここでのゴールは、フェーズ3でクライアントが述べた、自分にとって有用で望ましい価値観等を、今までの望ましくないもの代わって新しくインストールすることである。

    例えば、幼い時に父親に殴られた子供が、「自分は無力だ」という信念を持ってしまい、大人になった現在でもそれを引きづっているとする。

    そこで、このフェーズでは、「自分はもう大人であり、自分の行動は選択てせきる」という信念をインストールする。

    どのくらいインストールできたかは、フェーズ3で使ったスコアリングの方法を用い、レベル7に到達した時点で完了とする。

    うまい具合に、EMDRではクライアントに対してネガティブな信念・価値観はインストール出来ないし、たとえポジティブなものであってもクライアントに適さない場合もインストールできない。
  • フェーズ6:ボディスキャン

    ポジティブな価値観・信念が強化され、インストールされたことが確認された後、セラピストはクライアントに身体のどこかに何か違和感がないか確認する。

    もし、あった場合には、次にそれをターゲットとしてEMDRセラピーを実施する。

    多くの研究・調査から、身体の感覚に何か違和感を感じる場合は、心の中に何かしら解決できていない問題があることを示しているとされている。
  • フェーズ7:セラピーの終了

    一回のセッションが終了したら、セラピストはクライアントに対して、セラピーの開始前と何か変化したところがあるかどうか確認する。

    もし、一回のセッションで完了しなかった場合、セラピストはクライアントに自分で出来る心を穏やかにする技法をいくつか教示しておく。

    また、EMDRに関連したレコードや雑誌等もクライアントの自助努力の一助になるかもしれない。
  • フェーズ8:再評価

    セラピーを複数回行う場合、セッションの開始時に、フェーズ3で用いたクライアントのポジティブレベルが前回終了時と同じか、あるいは、前回のセッションの間に何か別の問題が発生していないかどうかチェックする。

    クライアントによっては、EMDRセラピーの継続を希望する場合があるかも知れないが、セラピストとしてもう必要ないと判断したら、その旨をクライアントにきちんと告げる。
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