催眠に適した声というものはあるか? カリスマに学ぶ発声法

私個人としては、「特にそういうものはない」と考えています。

あえて言うとすれば、「声の使い方を意識する」というところでしょうか?

古典催眠の場合、ペーシング、あるいは、催眠深化の一つの技法として、「クライアントの呼吸を観察して、そのリズムに合わせる」というものがあります。

そして、実際に経験してすると分かりますが、ペーシングを進めるにつれて、セラピストの誘導の声もスピードが徐々に遅くなり、トーンも自然と下がってきます。

この声のトーンを下げた状態で、発声のスピードを普段どおり、あるいは、普段よりも速くするというのは、逆になかなか大変なことと感じるケースが多いでしょう。

このことから、当然、個人の好みがありますが、催眠には女性の方がよいとか、男性の方がよいとかいう明確なパターンはないとも考えられます。

例えば、これは昭和時代の話ですが、大昔のFM東京で深夜 0:00 からオンエアされた「ジェット・ストリーム」という番組。

この番組のナビゲート役を務めていた城達也氏のナレーションは、同じ男性のものですが、私個人としては結構好きで、今にして思えば、この人が古典催眠をやれば、かなりの効果がありそうな気がしてなりません。

現代催眠・エリクソン催眠の場合には、通常の会話の中で催眠を行いますが、それでもある程度は声のトーンとかスピードを意識する必要があるのではないかと考えられます。

例えば、あまりに声のスピードが速いと、相手が一人であっても多数であっても、それを聞いている人の脳が「何を話しているのか」理解するのに必死になってしまい、変性意識状態に導入するのが困難になってしまうかもしれません。

以上は催眠における「声の使い方」ですが、世の中には、スピーチの達人と呼ばれる人達が存在し、彼らは意図せずに聴衆を魅了するために自分の声をコントロールしていると考えられています。

このような声の使い方を科学的な面から研究している人もいるようです。

以下は、ウォールストリートジャーナル(電子版)からの引用です。

「カリスマになるための発声法とは」

科学者らはカリスマ性の秘密を探るため話し言葉の力を研究している。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者は、声のピッチや周波数、声質を分析することで、カリスマ性のある発言者がどのようにして多くの聴衆を支配し、関心をかき立て、影響を与えているのか探ろうとしている。

研究者らは、イタリア、フランス、ブラジルなどさまざまな国で成功した政治家たちは皆、発する言葉の意味や表明する構想とは関係なく、聴衆を強く引き付ける、カギとなる声質を共有していることを発見した。

著名な経済界のリーダーの一部の声の分析では、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)や故スティーブ・ジョブズ氏のスピーチにカリスマ性のあるパターンがあることも分かった。

スピーチの専門家にとっては、声はまれなる説得力ある道具であり、これは進化と精神活動によって調整され、単なる言葉をはるかに上回るものを伝えることができる。

一部の人は生まれながらに信頼を抱かせるようなカリスマ性のある声質を持っているが、声の研究者たちは、少なくともこれらの音響的な要素は教授することができると確信を抱いている。

UCLAの音響科学専門家で、カリスマ実験をしたロザリオ・シグノレロ博士は「人々にリーダーと思わせるような声に変える能力が誰にもある」と話した。

同氏は最近、米音響協会の年次会合で研究結果を発表した。同氏は「これは政治家、CEOのほか、リーダーになりたいと思っている全ての人にあてはまる」としている。

(引用終わり)

このように「声の使い方」を知ることにより、相手(クライアント)に対して、「何を伝えるか」という伝える内容と同じくらいに、「どのようにして伝えるか」という要素も非常に重要なファクターであると考えられます。

これは、NLPでいうところの「非言語のメッセージ」にあたり、コミュニケーションにおける重要なスキル・ノウハウの一つであると言えるかもしれません。

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