言葉が情報を書き換える

人間の脳には、言語情報を処理する左脳と、視覚情報を処理する右脳があり、様々な情報の処理について役割分担をしていると言われています。

例えば、あなたの恋人の顔を思い浮かべてください、と言われれば、スッと心の中に対象となる相手の顔のイメージが思い浮かぶと思います。

では、その顔について言葉で説明してください、あるいは、紙に絵で描いてみてください、と言われたらどうでしょうか?

恐らく、多くの場合は、非常に困難と感じると思います。

視覚情報についての内容を、言語情報を用いて説明しようとすると、その途端、視覚的な内容が言葉に置き換わり、思考が右脳から左脳に追いやられてしまいます。

或いは、一人が誰でも知っている有名人の顔を言葉だけで説明し、他の人がそれが誰であるかを当てるゲームをしたとします。

どれくらいの人が、当てることが出来るでしょうか?

多分、殆どの人は、言葉だけで説明されてもサッパリ分からないと思います。

即ち、このような場合、NLPのスキルの一つである「メタ・モデル」の原理が動作し、言葉を用いることにより、今回は顔のイメージ(視覚情報)についての

  • 省略
  • 削除
  • 歪曲

が起きていると考えられます。

以上は視覚の問題でしたが、今度は「味覚」についてです。

アメリカで次のような実験が行われたようです。

40種類以上のジャムを用意して、2つのグループにどれが一番美味しいか順番をつけてもらいました。

  • 一つのグループは、味覚についての細かい項目とその表現について訓練を受けた食品のプロ。
  • もう一つのグループは、ごく普通の大学生

です。

最初に、何も説明を受けずに実験を行った結果は、食品のプロのグループと大学生のグループとでは、ジャムの評価について、極端に大きな違いは認められませんでした。

端的に言うと、どのジャムが美味しいかどうかは、プロでも素人でも判別は可能であると考えられたのです。

次に、例えば、一番美味しいと「感じた」ジャムについて、そのジャムが美味しいと感じた具体的な理由を紙に書いて説明するよう求めたところ、味覚のプロと大学生グループとの間には、ジャムの味の評価について全く関係が認められなくなってしまったのです。

この場合、味覚のプロの評価をスタンダードとして想定していますが、素人である大学生グループでは、ジャムの美味しさについて言葉で説明させたら、ジャムの美味しさについてよく分からなくなってしまった、と言えそうです。

すなわち、どのジャムが一番美味しいのかは無意識レベルでは分かるのですが、それを言葉で説明しようとしても実際には非常に困難であると考えられます。

このような事象から、NLPや催眠療法のセラピーの進行を考えると、セラピストあるいは、カウンセラーの質問に対して、クライアントは詳細に答えなくてもよく、セラピスト側もクライアントが語る内容を詳しく知る必要がないと言えるかもしれません。

例えば、クライアントが「周りが明るくなってきました」と答えたら、セラピスト側は「どのように明るいのですか?」と突っ込んだ質問をし、クライアントに答えさせる必要はないと言えるでしょう。

全ては、クライアントの内的表象のイメージに託すのがベターなケースもあると言えるかもしれません。

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