NLP:恐怖症・PTSDの超短時間治療法

NLPの名称が有名になった、あるいは、一番の典型的な例として取り上げられるのは、長年、クライアントを悩ましてきた恐怖症(高所恐怖症、広場恐怖症等)やPTSDをほんの10分程度のセッションで完全に治療してしまうテクニックでしょう。

このプロセスは、NLPの団体によっては「恐怖症劇場」などとも呼称されているようです。

このスキルの重要なところは、症状の原因となった「主観的な体験」を「傍観者的な体験」に置き換えて、クライアントの記憶に修正を加えることにあります。

例えば、私もそうなのですが、「高所恐怖症」。

私も無理に乗れと言われれば乗れないこともないのですが、所謂、遊園地の「絶叫マシーン」などは非常に苦手です。

この場合、「傍観者的な立場」で絶叫マシーンを眺めれば、何ともないのですが、



いざ、「当事者側の立場」になってみると、想像するだけで、やや心拍数は上がってしまいます。



実際のNLPのセッションでは、この、クライアントが悩んでいる体験を、「傍観者的な立場」で眺めることを、クライアントの脳の中で行ってもらいます。

具体的な手順としては、以下の通りで、実際には、全てのステップがクライアントの頭の中におけるイメージの操作になります。

  1. クライアントにある映画館をイメージしてもらう
  2. クライアントは、実際には映画館の座席に座っており、目の前のスクリーンには、自分が恐怖を体験したその時の場面が白黒の静止画で映し出されている
  3. 次に、クライアントは席に座っている自分の身体から抜け出し、その場面をスクリーンに映写している映写室に移動してもらう。
  4. この時点で、映写室にいるクライアントは
    • スクリーンに映し出されている、静止画の恐怖を感じた時の自分
    • 映画館の座席に座っている、その場面が映し出されているスクリーンを眺めている自分

    という二人の自分が見えることになる。

  5. 次に、その白黒の静止画を映写室で操作して、静止画であったものを、最初から最後まで「動画」として再生してもらう。
  6. その動画が最後まできたら、映写室にいるクライアントは、最後の場面を写して止まっているスクリーンの中に入ってもらう。
  7. そして、今度は、その動画を「カラー」で、かつ、「逆回しで」再生する。
  8. かつ、その「逆回し」は数秒のうちに短く行う。

というものです。

文章で書くと複雑そうに見えますが、実際のセッションは非常に簡単、かつ、短時間で終了してしまいます。

こんなに簡単かつ短時間のセッションで本当に効果があるのかと疑問に思うかも知れませんが、それがNLPのNLPたる所以で、このセラピーを有名にした1つの理由です。

これはクラッシック・コードNLP開発者であるリチャード・バンドラー氏の逸話です。

バンドラー氏は、このセラピーを数多くこなしてきており、その有効性について固く信じていましたが、とある高所恐怖症のセラピーを行った時の話です。

上記のようなステップでセラピーを行い、そのクライアントに感想を聞いたところ、自分が高い場所に登ったところをイメージしても全然気にならなくなったが、いざ、実際の場面になったらどうなるか心配である、と答えました。

この治療は、70階建てのビルで行われた、バンドラー氏の講演会の中で行われたものであることから、バンドラー氏は実際にクライアントをエレベーターに連れていきました。

しかも、このエレベーターは、展望式になっており外の景色を十分に堪能できる様式のものです。

さて、クライアントをエレベーターに連れて行ったはよいものの、今度は、そのクライアントは30分待っても会場に戻ってきません。

さすがにバンドラー氏は心配になり、「今回のセラピーは失敗したかも。クライアントは、恐怖でエレベーターから降りられなくなったのかも」と心配になりはじめました。

そうこうしているうちに、そのクライアントは涼しい表情で会場に戻ってきました。

聞いてみると、「エレベーターに乗るのが楽しくて、つい、何度も上り下りをしてしまった」との事。

今回は、高所恐怖症を例にとりましたが、「恐怖」というものに対する反応を修正する、という観点から、この「恐怖劇場」は、強姦・幼児虐待・戦争などの体験にも有効であるとバンドラー氏は述べています。

実際、他のNLPに関する書籍を読んでみると、NLPのトレーナーが、例えば、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の戦場に赴き、ケア活動を行った記述があります。

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