スポーツ心理学:不利な状況をハネ返すテクニック・ステートのコントロール

かなり前のことですが、とあるスポーツ(一対一の対戦型)のプロ選手のコーチングを担当したことがあります。

この方が言うには、試合の後半までは自分のほうが押していていたにも拘わらず、終盤近くになってくると、いわゆる「集中力」がなくなってきて、逆転負けを喫してしまう、という内容でした。

スポーツに限らず、私たちも日常的に使っている、この「集中力」という単語ですが、改めて考えてみると、NLPにおけるミルトン・モデル的には、非常に曖昧な内容であり、具体的にはどのようなものであるかサッパリ分かりません。

これは、メタモデルにおける「名詞化」の弊害の最たるもので、NLPを知らないと、この「集中力」の具体的な内容の認識がコーチと選手との間で食い違い、効果的なコーチングが成立しない可能性が高いです。

そこで、さらに深堀りのために、いくつか質問をして情報を集めてみると、どうやら、「集中力がなくなる」というクライアントの具体的な状態は

  • まず、終盤にさしかかると、「勝ち」を意識し始めること
  • それと同時に、様々なクライアントの内的会話が始まる

という事象でした。

この、「内的会話」とは、NLPで用いられる用語で、例えば、口には言葉として出さないけれど、心の中(頭の中)で「今晩のオカズは何にしよう?」、「明日の天気はどうだろう?」とか、「あの人は何で、あんな口のききかたをするのだろう?」など、いわゆる、心の中での独り言みたいなものです。

当然のことですが、私はこの種のスポーツには全くの素人なので、技術的なアドバイスは全く出来ませんが、心理的な状態をコントロールする、様々な選択肢をクライアントに提示することは可能です。

今回の場合、クライアントさんは、試合の終盤までは、外的五感(4Te)の世界にアクセスしていたものが(所謂、無我夢中の状態)、試合の終盤を意識した途端、内的会話が始まってしまう、というもの(所謂、雑念が湧く)です。

恐らく、理想としては、無我夢中で試合をこなし、気が付いて我に返ってみると、試合は終わっていて、知らない間に自分が勝っていた、というのが理想でしょう。

そして、その時のセッションでは、次のような質問をしてみました。

  • あなたにとって、試合の終盤とは具体的に定義すると、いつの時点ですか?
  • あなたが今まで経験した試合の中で、理想的な展開で勝利をおさめたプレーはありますか? その試合は、具体的に、いつ・どこで・どのような対戦相手でしたか? その時の体感覚を思い出して私に教えてください。

あと、その際に、オリンピックの水泳競技で、金メダル確実と言われていたアメリカの選手(マット・ビオンディ)が、ゴール直前のまさに「数メートル」のところで二位の選手に逆転され、殆ど手に入れかけていた目の前の金メダルを逃したこと。そして、北京オリンピックの日本水泳チームに随行した脳科学者が、チーム・メンバーに対し、「ゴールの板に両手がタッチした時がゴールではない。タッチした後、電光掲示板の自分の成績を見た時が本当のゴールだ」とアドバイスし、実際、北島康介選手が金メダルを獲得したエピソードを話しておきました。

今回のコーチングは私としても興味があり、武術をやっている知り合いのコーチ(段位の保持者!!)から、試合における身体のステート・コントロールという視点でいくつか情報を仕入れてみました。

ちなみに、このコーチは昔のコーチ21の出身で、NLPの知識はありません。

そのコーチが言うには。。。

  1. 形勢が不利だと感じる時は、大体の場合、呼吸が浅くなっているので、何はともあれ、先ずは深呼吸。
  2. 同じく、形勢が不利だと感じる時は、ベストの試合を思い出させるアンカー(ポーズ・行動)を予め決めておき、それを実行する。
    (「プロスポーツ選手も利用する思い込みの力」を参照)
  3. 逆に、調子がいい時には、試合相手と自分を眺める、もう一人の自分がいることをイメージできる。

との事です。

特に、「3.」などは少々オカルトめいていますが、実際には、NLPのワーク(スキル)の一つとしてあり、「ポジション・チェンジ」と呼ばれるスキルの、「ニュートラル・ポジション」「第三のポジション」等呼ばれています。

ここからは、心理学の話とは離れて、「呼吸」に関する話題です。

とある資料によると、ヒトの場合、目が覚めている時は、無意識のうちに自分の呼吸を他人に読まれないように調節しているのだそうです。

そして、その呼吸は、筋肉の力の発揮に重要な役割を持っており、息を通常の呼吸の80%程度に保持した後、一気に吐き出すと、通常よりも大きな力が出るとの事。

逆に、息を吐ききった状態では筋肉に力が入らないので、対戦者は、相手の息が吐ききった時に攻撃をしかけるのです。

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