オバマ大統領が使ったNLPテク (4)

オバマ大統領のスピーチの秘密を解説したレポート

「An Examination of Obama’s Use of Hidden Hypnosis Technichs in His Speech」

の解説の続き。


クリティカルファクターや、人間の脳の理論的な考え方等を「すり抜ける(bypass)」方法の1つが「ペーシングとリーディング(pacing and leading)」である。

この「ペース&リード」は、催眠における基本的な技法の1つであり、相手に気付かれずに催眠をかける(conversational hypnosis)時に用いられる。

ペーシングの技術は、エリクソン博士により発見され、クライアントのクリティカルファクターの働きを抑制し、相手に気付かれないように、無意識に対して命令を送ることが可能になる。

このペーシングの後に、リーディング(leading)の技術を用いて、新しい情報や命令等を相手に対して送るのが常道である。

このリーディングは、ペーシングの後や、もしくは同時に行い、相手の意識による判別のふるいに引っかからずに、直接、無意識領域に、示唆(suggestion)や指示(command)が送り届けることが可能になる。

当然、相手は、何を言われたのか、本当の意図には気付かない。

「ペーシングの方法」

これは、ビルの警備員に働きかけることと似ているかもしれない。

警備員も勤務時間中であっても、気が緩んだり、退屈したり、時間が経てば疲れてもくる。

これと同様、hypnotistは、相手に対して、「絶対的に正しい事柄」「日頃、気付かなくても、言われれば直ぐに正しいと判断できる事柄」を述べていき、相手の意識的な判断能力が低下するのを待つ。

大体の場合、ペーシングは、相手と会話を行っている環境について話し始めるのが通常のパターンである。

(例)

  • 夏の暑い日に、「今日は暑いですネ~」と話す → 相手にとっても絶対的な事実なので「○」
  • レストランで、「ここの料理、美味しくないですネ~」と話す → 相手が、「美味しくない」と感じているのか不明なので「×」

以上は、催眠療法時のクライアントとの一対一のセッションを想定しているが、政治家が大衆の目の前で演説する時も原理は同じ。

皆が全員、「これは絶対的な真実である」と信じている事柄を繰り返し語ればよい。

そして、この「これは絶対的な真実である」事柄を語る合間に、自分が意図する「命令」を「そっと忍び込ませる」ことにより、大勢の人達の意識に気付かれずに、操作することが可能になる。

これは、何百万人の人が見るTVでも同じである。

「オバマ氏が使った特徴的なペーシング・ステートメント」
(2008年 デンバーでの大会より)

オバマ氏の発言には、次のような言葉が含まれている。

  • ” now is the time “
  • ” as I stand here before you”

これらの言葉は、「否定のしようがない事実」を表現しており、オバマ氏のペーシングの際の一部分として用いられている。

ペーシング・ステートメントという視点から見ると、オバマ氏は、このデンバーでの大会で自らのスピーチで多用している。

当然ながら、オバマ氏のパワフルなスピーチ裏では、このようなテクニックが使われているとは、誰も疑わなかった。

オバマ氏が好んで使うペーシング・ステートメントは

  • that’s why I stand here tonight
  • now is the time
  • this moment

であり、これら3つのペーシング・ステートメントは、彼の演説の中で合計14回使われている。

例えば、とある1回のスピーチの中で、オバマ氏は、”as I stand before you tonight” というペーシング・ステートメントを3つの部分で使っている。

しかも、スピーチの初め・中間・終わりに。

  1. That’s why I stand here tonight. Because for two hundred and thirty two years, at each moment when that promise was in

    jeopardy, ordinary men and wemen – students and soldiers, fermers and teachers, nurses and janiotrs — found the courage to

    keep alive.

  2. The fundermentals we use to measure economic strength are whatever we are living up to that fundermental promise that

    has made this country great – a promise that is only reason I am standing here tonight.

  3. But I stand before you tonight because all across America something is stirring. What the nay-sayers don’t understand

    is that this election has never been about me. It’s been about you.

これと同じスピーチの中で、”now is the time”というフレーズを、全部で6回使っている。

言っている内容は明確である一方、なぜかしら、彼のフレーズにはパワーが感じられ、”now is the time”がこのスピーチのテーマであるように感じさせる。

  1. Now is the time to end this addiction, and to understand that drilling is a stop-gap measure, not a long-term solution.

    Not even close.

  2. Now is the time to finally meet our moral obligation to provide every child world-class education, because it will take

    nothing less to compete in the global economy.

  3. Now is the time to finally keep the promise of affortable, accessible health care for every single American.
  4. Now is the time to help families with paid sick days and better family leave, because nobody in America should have to

    choose between keeping their jobs and caring for a sick child or ailing parent.

  5. Now is the time to change our bankruptcy laws, so that so that your pensions are protected ahead of CEO bonuses; and

    the time to protect Social Security for future generations.

  6. And now is the time to keep promise of equal pay for an equal day’s work, because I want my daughters to have exactly

    the same opportunities as your sons.

こういったフレーズが使われたのは、偶然の所産ではなく、オバマ氏が聴衆の無意識に対してペーシングを目的としたものであり、話した内容が真実であるとを「すべり込ませる」ためである。

オバマ氏は、聴衆をトランスに誘導するために、14もの催眠言語のパターンを自分のスピーチの中で駆使している。

その中には、とても「ペーシング・ステートメント」とは思えないモノまで入っている。

簡単なものから例を挙げると

  • “we need change”
  • “We are the hope of our future”
  • “Yes we can”

これらのフレーズをよく見てみると、非常に内容が曖昧なものである。

しかしながら、これらのフレーズは無意識レベルでは反応し、特に若者に対してヒットしたフレーズである。
(日本でも、「change」や「we can」は意味も無くヒットした)

しかしながら、上記で説明したペーシング・ステートメントのテクニックは複雑な催眠言語の構造の一部であり、まだまだ、オバマ氏が使ったテクニックは続きます。

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