選択バイアスの罠

私達人間の持っている思考、あるいは、脳の性質の1つとして、ある特定の集団だけの性質を、そうではない集団に対しても適用してしまう、一種の「一般化」とも捉えられる、「選択バイアスの罠」としうものがあります。

チョット具体例を見てみましょう。。。

これは、第二次世界大戦におけるアメリカ軍関係者の会議で、戦闘機の改良・補強について話し合いが持たれました。

そして、会議の資料として、実際に「戦闘から帰還した戦闘機」の被弾に関するデータが提出されました。

いろいろとデータの検討がされ、戦闘機のある部分だけが特異的に被弾している割合が高いことが判明したのです。

そこで、軍の最終的な結論としては、

「この、被弾する割合が高い部分を集中的に補強しよう」

ということになったのです。

ここまでの話を聞いてみると、至極自然で、問題がないように思えますが、この結論に、「待った!!」をかけた人物がいました。

その人物は、エイブラハム・ワルドという統計学者です。

彼の結論は、上記のものとは全く逆で、

「最も被弾している割合の低い部分を補強しよう。被弾の割合が高い部分を補強しても効果はない」

というものです。

何故でしょうか?

もう一度、よ~く考えてみます。。。

上記の資料は、書いてあるように、「戦闘から帰還できた戦闘機」に関するデータであって、実際に被弾し、戦場で撃墜された戦闘機のデータは1つもありません。

さらに考えてみると、「戦闘から帰還できた戦闘機」は、改良・補強されるべき部分に被弾しなかった故に、帰還できたと考えられます。

このように、データから得られた結論を、そのデータの背景となる母集団について全く考えずに鵜呑みにしてしまうのを、「選択バイアスの罠」と言うようです。

このような罠は、現代社会でもよく見られ、新聞等のメディアで「○○に関する調査結果」というデータを見る時には、そのデータを収集した母集団についても気を配る必要があるでしょう。

何も考えずに、データだけを見ただけで判断すると、いつの間にか、「世間一般の人は、みんな○○なんだ」という、ある意味、メタモデルの一般化が起き、ビリーフの1つとして無意識の中に刷り込まれるのではないでしょうか?

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