コーピング・ビヘイビア

日本語の訳では「対処行動」としている場合が多いようです。

よく言われる言葉に、「過去と現実は変える事が出来ない」というのがありますが、本人にとって、「(もう、これでもかという位の)大変な状況、悲惨な状況の中で、少なくとも今日までは生きている」ということに、セラピストは関心を持ち、それは何か?ということにクライアントの意識の焦点を移動する、という手技があります。

あるカウンセリングの本に、「不幸な25年間の結婚生活と、ろくでなしの夫について、嘆く50歳女性の話」という例が載っていました。

本の記述には、以下のようにありました。

このようなクライアントの場合、ついうっかり、「よい時もあったのではないか」とか、「夫にもよい所があるのではないか」などと質問しようものなら、反撃の大嵐の大反撃。

ますます過去と現在の不幸話に拍車がかかります。

そこで、セラピストは、次のように問いました。

「大変なご苦労をされましたね。1つ教えて下さい。それほどの経験をされてきたのに、離婚されなかったコツは、一体、何なのでしょうか」

女性は、はじめてうっすらと笑みを浮かべて、「辛抱です」と答えました。

セラピストはこれに大いに関心を示し、女性がこれまでの人生で何をどんなに辛抱してきたのか、詳しく聴きました。

その結果、悲惨な話そのものは前半に語られたことと全く同じでしたが、今度は対処行動(辛抱)が付け加わったのです。

以上のような内容で、一応はメデタシメデタシという感じですが、私としては別の視点を持ちました。

ここで、NLPの登場です。

  • 上記の例の中に、「・・・などと質問しようものなら、大嵐の大反撃。」とありますが、今回のクライアントもそうなのでしょうか?

    この本の著者は、「この種の質問に対しては、”誰でも”このような反応をする」という思い込みを持っているのではないでしょうか?(メタモデルの「一般化」)

    NLPの前提には、「人は皆、違うのだ」というものがあります。

    また、逆説的に、クライアントにあえて、その「大嵐の大反撃。」を実際にさせて(しかも思いっきり)、セラピストはそれをしっかり聴いてあげる、というのも一法だと思います。

    言語化するということは、内的に存在する自分の情報(内的会話など)を一度外に出すことであり、その結果、心の深層部(無意識)に何かが動き出すことに繋がります。

    とあるNLPトレーナーの言葉に、「人は話すことによって、問題の70%は解決する」というのがありました。

  • 文章だけからすると、この女性は、25年間、ダブルバインドの状態下で生きてきたとも受け取れます。

    ですから、カウセリングの方向として、この女性をダブルバインド状態から救い上げる、という選択肢もあるのではないかと考えです。

  • 文章的には、上記の例は、上手くいった例として取り上げたのでしょうが、この女性は、この後も、「不幸な結婚生活」を続けることになります。

    それより、彼女の人生の選択肢を増やして方がよっぽど彼女にとって幸せなのではないでしょうか?

    NLPには、狭窄した意識の枠組みを取っ払い、自分でも気付かなかった選択肢、可能性を発見する、いくつかのスキルがあります。

臨床の場におけるセッションは、いろいろなケースがあり、「これが正しい方法だ」といいうものがないでしょう。

それだからこそ、セラピストは、学校で習った1つの理論・技術だけに拘らずに、いろいろな分野の考え方を身につける必要があるように思えます。

スポンサーリンク
[スポンサーリンク]
[スポンサーリンク]
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
[スポンサーリンク]

コメントをどうぞ