利用可能性 (avaiability)の実例

脳が情報をする処理する上での誤謬の1つとして、「利用可能性」というものがありますが、その実例として、次のようなものがあるのではないでしょうか。

この、利用可能性を平易な言い換えると、感情的に大きなインパクトを与えたり、メディアに大々的に、(ある場合には)過激な表現で報道されたりする事象は、正確にはどのような確率で起きるのか、説明が全くされない場合が多い。

私たちは、そのような報道を目にすると、うっかりすると、これらの出来事が実際に起きる確立を過度に見積りがちです。

しかし、これは、脳が持つ性質の1つなので、致し方ない面もあるでしょう。

例えば、私達の記憶に新しいのは、世界中を震撼させた、「鳥インフルエンザ」と「狂牛病(BSE:牛海綿状脳症)」ではないでしょうか?

これらの名前がテレビや新聞などのマスコミで大きく取り上げられた事により、あたかもこれらの重大事件がすぐにも自分の身に降りかかってくると思ってしまったかもしれません。

BSE問題の場合、1996年に、イギリスで10人の患者が出たというニュースがイギリスから発信され、感染を恐れるパニックが世界中にたちまち広がりました。

当然のように、「狂牛病」の名前は世界の食肉業者に恐怖を植え付けました。

しかし、ビーフステーキが危険であると、メディアがキャンペーンを張ったにも関わらず、実際の感染者の数はイギリスで126人、フランスで6人、アイルランドで1人、カナダで1人、アメリカで1人に留まったと報告されています。

つまり、世界中でも140人にも届きませんでした。
(世界保健機構は犠牲者を100万人に1人と見積もっていた)

記憶の働きのメカニズムを調べる研究から、ある出来事がショッキングであればショッキングであるほど、記憶に残りやすい事が分かっています。

従って、例えば、通常ではない薬物(コカイン・ヘロイン等)が持つ危険の方を余計に恐れて、ごく普通の薬物の方には、殆どの人は大して意識を向けません。

タバコやアルコールの害は過少評価しながら、死者を出す割合が、タバコやアルコールよりも25倍も低い、非合法な薬物には神経をとがらせるということのようです。

人間の脳は、社会的な情報伝達において、ことさら強調されたり、強い印象を与えるもの(刺激的な表現や、衝撃的な写真、映像など)に対して、実際より過大な評価をしがちなので、こういったトラップにはまらないよう、日頃からの注意が必要でしょう。

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