免疫系への挑戦

研究者達が催眠を通じて成し遂げてきた数々の成果を並べ挙げたとしても、その効果がどれほど深いものかを実感出来ないのは当然である。

ペンシルバニア州立大学の心理学者で催眠療法家のハワード・ホールは、催眠の細胞レベルへの影響を研究してきた。

彼は、「催眠療法で一体、何が可能なのかに興味があるのです。例えば、様々な体内の生化学物質を変化させたり、免疫機能を変化させることが出来るのかどうか、といったテーマに対してです。」と語る。

ハワードはガンとの戦いに免疫細胞を動員するというカール・サイモントンが行った「イメージ療法」の取り組みに触発されて、イメージ療法を使って、ある実験を行おうと決意した。

まず、健常な32歳から85歳までの20人を催眠にかけた。(彼は、わざと広い年齢層を設定した。というのは、一般的に免疫機能は高齢になるほど弱まり、がん細胞も当然多くなると言われているからだ。)

そのグループに自己催眠法を教え、その中で、それぞれの白血球群が「獰猛な飢えたサメの群れ」となって、体内をうろついているガン細胞群を残らず攻撃するというイメージを与えた。

それと同時に、セッションの開始前と一時間後に採血を行った。

家に帰ったあとも、自己催眠を続けるように指示された。

そして、2週間後、ホールの研究所に戻ったこのグループは3回目の血液検査を受けた。

採血の結果、一部の人々の免疫反応が顕著に活性化していた。

50歳以下の比較的若い人々と、催眠に非常に感受性が高かった人々の免疫反応が特に強かったのだ。

ホールはこうした結果について、断定するようなことはせず、催眠の持つ、免疫活性化能力の一部を垣間見たにすぎないと注意深く語っている。

そして、今回の結果だけで満足せず、さらにこの課題の研究を続けていくことにした。

ホールは肯定的な精神力がよい影響を持つことを目の当たりにして、このように催眠とイメージ療法を組み合わせることによって心理面から治癒力を高めることも可能かもしれないと指摘している。

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